東京都交通局では、2020年に開業60周年を迎える浅草線について、車輌の更新や駅構内の改装などを実施し、計画的にリニューアルを行なうことを発表した。 その第1弾として、2018(平成30)年春を目途に、浅草線で20年ぶりとなる新型車輌「5500形」を導入し、今後、全27編成を新型車輌へ置き換える。 羽田・成田両空港を結び、浅草や銀座といった東京を代表する観光地をつなぐ路線にふさわしく、通勤・通学での利用者から訪日外国人旅行客まで、誰もが使いやすい車輌とする。 ▼外観(イメージ) 画像提供:東京都交通局 ▼内装(イメージ) 画像提供:東京都交通局◆コンセプト 日本らしさとスピード感が伝わる車輌◆デザイン(1)外観 国際的にも日本のイメージとして一般的で、かつ浅草線沿線とゆかりのある歌舞伎の隈取りを現代風にアレンジし、凛々しく躍動感あるデザインとする。(2)内装 和紙や寄せ小紋のほか、東京の伝統工芸品である江戸切子などの柄とともに、沿線由来のイラストを使用し、落ち着きのある和の雰囲気の中にも遊び心がある空間デザインとする。 ▼座席柄(寄せ小紋) 画像提供:東京都交通局 ▼カーテン柄(沿線由来イラスト) 画像提供:東京都交通局 ▼壁面(和紙調) 画像提供:東京都交通局 ▼座席仕切り(江戸切子調) 画像提供:東京都交通局▼沿線由来イラスト 画像提供:東京都交通局◆車輌概要(1)車輌形式 5500形(2)導入編成数 2017(平成29)年度1編成(8輌)、2018(平成30)年度7編成(56輌) 以降、順次導入予定(3)車輌の特徴①ユニバーサルデザインの考え方を取り入れた「人にやさしい車輌」・車いすやベビーカー、大きな手荷物を持つ方にも利用しやすいように、全ての車輌に車いすスペースまたはフリースペースを設置する。・ラッシュ時にスムーズな乗降ができるように、乗降口脇のスペースを広くする。・吊手や手すりの数を充実させるとともに、低い吊手や荷物棚を設置する。②快適な車内空間・座席は幅を広くするとともに、大型化した見通しの良い仕切りを採用。・冷房能力を強化するとともに、空気清浄機能を採用し、快適な車内空間を提供する。・多言語対応の液晶モニターの設置など、日常で利用の方はもちろんのこと、訪日外国人の方へも充実した案内を提供する。③環境性能・全照明にLEDを採用。・次世代半導体素子SiC(※1)を採用したVVVF制御(※2)装置を採用し、環境負荷の低減を図る。(※1)SiC:炭化ケイ素(SiC シリコンカーバイド)を用いる半導体デバイスで、従来から用いられてきたSi(シリコン)に比べて低損失・高温動作が特徴。(※2)VVVF制御:可変電圧・可変周波数制御:直流の電流をインバーター装置で交流に変換し、構造が簡略で高出力な交流モーターで電車を走らせる仕組み。【「浅草線リニューアル・プロジェクト」について】(1)概要 「Tokyoと世界を結ぶ地下鉄」というトータルコンセプトに基づいて、車輌から駅施設まで路線全体をリニューアルするプロジェクト。(2)今後の主な予定 2017(平成29)年度 エリアごとの駅デザインガイドラインの策定 2018(平成30)年度 プロジェクトの基本構想発表 東京2020大会まで 泉岳寺駅・大門駅へのホームドア設置●詳しくはこちらを参照●東京都交通局 ウェブサイト