静岡鉄道株式会社では、1973(昭和48)年初導入以来、約40年間にわたり親しまれた静岡清水線の鉄道車輌1000形に代わる新型車輌を導入し、2016(平成28)年春より運行開始予定であることを発表した。 ▼外観イメージ(カラーリングは現在検討中) 画像提供:静岡鉄道◆新型車輌導入の目的「都会的なデザインに一新し、より魅力的な街づくりに貢献すること」 静岡の歴史と共に歩んできた静鉄グループとして、人口減少と高齢化社会に対応するこれからの街づくりの一翼を担い、新型車輌が静岡のさらなる賑わいを創出し、地方鉄道の新たなシンボルとして輝く存在となることを目的としている。◆新型車輌の主な特徴(1)都会的で親しみやすい外観デザイン 静岡市中心市街地の賑わいの核のひとつとなっている「新静岡セノバ」と親和性が高い都会的なイメージだけでなく、多くのお客さまに長く愛される親しみやすさを兼ね備え、魅力ある街づくり、さらなる賑わいを創る静鉄グループの新しい「顔」となるものとした。(2)広く、明るく、清潔感のある快適な内装デザイン ユニバーサルデザインに配慮し、すべての人に利用しやすい快適な車内空間を追求した。・車内に液晶画面新設・座席端部に仕切り板を新設・使いやすい吊り手やポールを採用・ベビーカー、車いすスペースの新設(3)さらなる安全性の向上 高強度化した車体や車輪の滑走防止機能の付与、故障発生時の早期復旧が図れるような機器構成を図り、さらに安全で安心な車輌を目指した。・車体はステンレス鋼製・主要機器の二重化・台車への滑走防止装置の装備(4)環境性能の向上 現行車輌比で約50%の省エネルギー性能を追求し、環境負荷の低減を図る。・ステンレス材採用によりリサイクル性、軽量化を実現・効率の良いモーターなどの採用と照明のLED化による省エネルギー化・全閉構造、通風構造を見直したモーターの採用による騒音の低減 ▼車内イメージ 画像提供:静岡鉄道 ▼ベビーカー、車いすスペースイメージ 画像提供:静岡鉄道◆現行車輌1000形との比較 〈新型車輌〉 〈現行車輌〉編成 2輌編成 2輌編成定員 119名 ※1 140名営業最高速度 70km/h 70km/h加速度 3.0km/h/s ※2 2.5km/h/s制御方式 VVVF制御 ※3 抵抗制御 回生ブレーキ ※4 発電ブレーキ 交流誘導電動機 ※5 直流電動機※1 日本工業規格の1人当たり床面積が現在は0.30㎡になっており(現行車輌導入当時は0.285㎡)定員数が数字上少なくなっているが、利用できる広さは現行車輌と同じ。※2 加速度は踏切が鳴り始めてから車輌が踏切に到達するまでの時間に関係するため、全12編成導入後に新しい加速度での運用を予定。※3 制御方式とはモーターに流れる電気をコントロールする方法。抵抗制御とは抵抗を変化させることにより流す電気の大小を調整するもの。VVVF制御とは交流の電圧が一定周期で変化することを利用して流す電気を調整するもので、エネルギー効率やメンテナンス性、耐久性に優れている。※4 回生ブレーキとは、走行用のモーターをブレーキ時に発電機として作用させ、発生した電力を架線(電車に動力用の電気を送る線路上方にある電線)に戻しほかの電車が再利用することで省エネルギー化を図るもの。※5 交流誘導電動機とは、モーターを回転させるための消耗部品を必要とせず簡単な構造であるため、直流電動機に比べ故障が少なく軽量で、メンテナンス性や耐久性に優れている。◆導入計画 全12編成(2輌1編成)について、8年計画での導入を予定。●静岡鉄道 ウェブサイト