JR北海道では、レール温度の上昇に伴う運転規制やレールの張り出し等を防ぐため、散水列車(レール温度の上昇を抑制するため、タンク車から線路に散水する列車)を運転していたが、主な酷暑期対策を実施することでレール温度上昇時の運転保安が確保できることから、今年度以降の運転を取りやめることとした。
※散水列車とは
レール温度の上昇を抑制するため、線路に散水するためのタンク車を気温上昇時に岩見沢~札幌間および白石~島松間で臨時運行していた列車。
前日17時の天気予報で、予想最高気温が32℃以上の場合に翌日の運行を決定していた。
【散水列車の運行を取りやめる理由】
○酷暑期における軌道管理の強化
1999(平成11)年に起きた輸送障害を踏まえ、これまでバラストの余盛管理およびレールの張り出し管理を徹底してきた。予想される最高レール温度を超えた場合にも安全を確保するため、運転規制を行うレール温度(レール温度57℃で45km/h以下の徐行、レール温度60℃で運転中止)を定めた。
※バラストの余盛管理とは、マクラギ端部のバラストを約10cm高く余盛りして維持管理すること。
※レールの張り出し管理とは、レール遊間(レールとレールの隙間)やロングレールを想定させる温度域で適正管理すること。
○散水車のレール温度低下時間が短い
散水によるレール温度低下は5℃程度を期待できるが、持続時間は1時間~1時間30分程度にとどまる。また、長時間の散水は路盤を暖め軌道変位の発生原因となる。
参考【主な酷暑期対策】
・札幌圏におけるレール管理強化
・運転規制値の制定
・特別巡回の強化