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故・岸 由一郎氏の遺志を受け継ぎ、鉄道文化財の新潟への里帰りが実現

2010.11.09

 2008(平成20)年6月14日に起きた岩手・宮城内陸地震で逝去した故・岸 由一郎氏が生前に収集に尽力した鉄道に関する文化財が、このほどゆかりの地である新潟に里帰りを果たした。

 里帰りを果たしたのは、岸氏が生前に初代の副理事長を務めていたボランティア団体「ふるさと鉄道保存協会」が福井県敦賀市の「鉄道文化財支援センター・夢コンテナ」で保管を続けていた、新潟にゆかりのある部品類およそ50点。駅で使われていた看板類や乗車券箱、それに車輌に使われていた前照灯、旋廻窓、運賃箱など、いずれも岸氏が生前に収集に尽力した新潟交通・蒲原鉄道に由来するもの。

 「夢コンテナ」は、岸氏が保存に協力した国鉄コンテナ「C10形」で、1966(昭和41)年から1969(昭和44)年にかけて15,126個が量産された初期の代表的なコンテナ。2009(平成21)年4月に「鉄道文化財支援センター・夢コンテナ」と命名、同年7月に和歌山県内から現在地に移っている。

 今回これら部品類を受け取ったのは、新潟市南区の旧・月潟駅で電車2輌とラッセル車1輌の保存と公開に協力しているボランティア団体「かぼちゃ電車保存会」。同保存会では、1999(平成11)年に廃止となった新潟交通で活躍していたモハ11、モワ51、キ116の3輌と旧・月潟駅駅舎の定期的な公開に協力している。保存されている電車内や駅舎内には各種資料が展示されており、また、この保存会が設立される源流となった保存運動も、岸氏が提唱したものであったことから、同保存会に部品類を寄贈することで、故人の遺志を引き継ごうと実現した。

 引き渡しは10月24日に行なわれ、同保存会会長の丸山裕氏、幹事の田中幹也氏ら3人が敦賀市内の「夢コンテナ」を訪れ、部品類を受け取った。部品類は同保存会により末永く展示などに活用される予定。



▼ふるさと鉄道保存協会の笹田理事長(右)から、かぼちゃ電車保存会の丸山会長(左)へと手渡された岸氏ゆかりの部品類。



‘10.10.24 P:佐藤輝和


ふるさと鉄道保存協会 ウェブサイト


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