JR北海道では、軽量化などのメリットがあるアルミ合金製車体の寒冷地における状態を検証することを目的に、札幌圏用通勤電車の試作車として735系交流電車の開発を進めていることを発表した。
▼735系交流電車の外観イメージ(左)と客室内イメージ(右)
イラスト:JR北海道 ニュースリリースより
735系は、ボディにアルミ合金(先頭部は鋼鉄製)を採用したほか、バリアフリー・ユニバーサルデザインを考慮した客室設備され、乗降口のステップレス化、車イス対応トイレの大型化、吊り手数の増加や配置の見直しなどを行なっている
編成は3輌編成(1M2T)で、最高運転速度は120km/h。速度0km/hまで回生ブレーキが有効な全電気ブレーキを通勤・近郊車輌としては初めて採用したことなどにより、省エネ、省メンテナンス性能の向上を図っている。
客室は片側3扉のオールロングシートで通勤時の混雑緩和を図っており、3輌編成での定員は428人(座席148人)。なお、立席定員算定基準見直しにより定員数は減少しているが、実質的なスペースは731系と同等である(731系3輌編成の定員は433人)。また、既存の731系や721系と連結して運転することも可能である。
今回投入されるのは3輌編成×2本の6輌で、車輌完成は平成22年3月。完成後は低温時や降雪時における車体断熱性などを検証する走行試験を平成22、23年度に実施する計画で、試験を実施しない夏期には営業列車として使用する予定である。