千葉モノレールでは、現在運転している車輌のうち、初期に製作した車輌が20年を経過していることから、順次、新型車輌に代替していくことになった。
当面は、2012(平成24)年度までに3編成6輌を製作する予定で、第1号車は2012(平成24)年初に竣工、乗務員の訓練運転を経て、同年度から営業運転を開始する予定である。
新型車輌は、従来車の構造をベースとしつつ、バリアフリー対策や新しい技術基準に適合させるべく必要な設備を装備するとともに、「千葉モノレール新型車両デザイン検討委員会」から提案されたデザインを採用するなど“空中飛行鉄道”として、千葉市のシンボルとなるよう先進的でシャープな車輌となる。
▼2012(平成24)年に登場予定の新型車輌0形の外観イメージ。懸垂型の特長を際立たせるシャープなデザインに。
イラスト:千葉都市モノレール プレス資料より(下2点とも)
新型車輌の概要は次の通り。
■主要諸元
(1)車輌形式 0形
(2)車輌サイズ 15,400mm×2,580mm×3,085mm(長さ×幅×高さ)
(3)定員 83人(座席定員30人)
(4)制御方式 VVVFインバータ制御
(5)保安設備 自動列車制御装置(ATC)
■竣工
2012(平成24)年初(予定)。竣工後、各種性能試験、乗務員訓練等を経て、2012(平成24)年度から営業運転に入る予定。
■製作費用
約5.8億円(1編成2輌)
■製作
千葉都市モノレール車両製作共同企業体
(三菱重工業株式会社、三菱電機株式会社)
■新型車輌の主な特徴
(1)車体外観
懸垂型の特長をより鮮明に打ち出す逆台形、くさび型の斬新なイメージをデザインで表現し、次世代の千葉市のシンボルとして、爽やかに発信していく。
(2)眺望性
眺望が楽しめるよう客室と運転室の仕切りのガラスエリアを拡大するなど、眼下に広がるアーバンビューを楽しむことができる。
(3)居住性
シートや床面をダークな色調として、車内に落ち着きを与えるとともに、ワンポイントカラーにオレンジを配すことで、モダンな軽快感を演出。また座席もベンチスタイルのロングシートから、加減速の際にも隣り合った人と肩が触れ合わないように、ホールド性の良いバケットタイプのロングシートとし、快適性を向上。
(4)安全対策
自動的に列車速度を制限速度以下に制御する自動列車制御装置(ATC)を採用。運転状況を随時記録する運転記録装置や運転士の異常時に対応する装置の設置や、車輌火災対策の強化など新たな安全基準に適合した車輌設備を装備。
(5)バリアフリー
ドア上に開閉チャイム付き案内表示器の設置、客室運転室側には車椅子スペースを兼ねたユーティリティスペースを確保するなど、各種バリアフリー対策を施す。
(6)環境性能
エネルギー効率が良く軽量コンパクトでメンテナンス性に優れた交流モーターを千葉モノレールとしては初めて採用。ブレーキシステムには回生ブレーキを採用し省エネルギー性も向上。同時にインバータによるきめ細やかなモーター制御により加減速の際の乗り心地も両立させ、クオリティの高い輸送を実現する。
▲落ち着きのあるモダンな内装。腰掛けはホールド性の良いバケットタイプのロングシートに。
▼ガラスエリアを拡大し開放感を演出した乗務員室背面部。車椅子スペースを兼ねたユーティリティスペースを設置。