185系

ニュース

川崎重工 世界市場向け350km/h新型高速鉄道車輌を自社開発

2008.09.16

 川崎重工は、新型高速鉄道車輌「efSET(イーエフセット/Environmentally Friendly Super Express Train)」の開発に着手することを決定した。この新型高速鉄道車輌の自社開発は、世界市場に照準を合わせた自主的な車輌開発で、高速鉄道車輌の分野では、日本の鉄道車輌メーカーとして初めての取り組みとなる。



→「efSET」の外観イメージ。
イラスト:川崎重工ニュースリリースより


 この高速鉄道車輌は、営業運転速度350km/hを実現するとともに、これまで国内の新幹線車輌の設計で培った乗客の快適性向上や周辺環境への負荷低減を実現する技術を適用した新型車輌で、2009年度末までに開発を完了する予定となっている。



 同社は2004年に台湾高速鉄道向け700T型車輌、2006年に中国鉄道部向けCRH2型車両を納入した実績がある。また現在、アメリカ、ブラジル、ロシア、インド、ベトナムなどの国々が高速鉄道の具体的な新規建設計画を進め、世界中で今後20年程度の期間で10,000km前後の高速鉄道路線が増設される予定で、これに応じた高速鉄道車輌の需要が見込まれることから、欧州列強との競争に勝ち切り、世界市場での受注を獲得するために世界基準に沿った自社開発の高速鉄道車輌が必要と判断したもの。



 新型高速鉄道車輌の概要は次のとおり。



■主要コンセプト

○環境に優しい車輌

 ・軽量ボディおよび空力デザイン適用による騒音、振動などの周辺環境への負荷低減



○省エネルギー性能の向上

 ・高効率電気機器やブレーキシステムによるエネルギーのリサイクル

 ・軽量ボディや平滑化による走行抵抗低減



○快適な移動空間

 ・軽量ボルスタレス台車やアクティブ制振技術の採用による振動軽減・乗り心地向上

 ・連続換気システムの導入および室内防音対策による快適性向上

 ・広い視界を確保できる大窓を採用しながら、高い遮音・断熱性能を確保



○信頼性の確保

 ・新幹線を含む高速鉄道での運用において、すでに信頼性が実証されている主要機器の採用



○高い安全性

 ・耐火性や衝突吸収による高い安全性能の実現



■開発スケジュール

○コンセプトデザイン:~2008年9月

○基本設計:2008年9月~2010年3月

○設計検証:2009年1月~2010年3月


詳しくはこちら


川崎重工 ウェブサイト


  • このエントリーをはてなブックマークに追加