くりはら田園鉄道のラッチが出迎える「しばうら鉄道工学ギャラリー」の入口。頭上の標示はギャラリー前を通るゆりかもめの駅名標デザインに合わせたもの。なお、ギャラリー見学には、校舎正面エントラス横にある守警室での受付が必要となっている。 2017.5.9 P:RM5月21日にオープンする芝浦工業大学「しばうら鉄道工学ギャラリー」の内覧会が去る9日に開催されました。この「しばうら鉄道工学ギャラリー」は、東京都江東区の新豊洲に完成した芝浦工業大学附属中学高等学校の新校舎内に設けられるもの。この附属中高の起源は1922(大正11)年に当時の鉄道省が設置した東京鉄道中学であり、もともと鉄道との縁が深い学校です(ちなみに鉄道中学設置の発案者は当時、経理課長だった後の国鉄総裁・十河信二氏だったそうです)。ガラスケースに展示された岸由一郎さんのコレクションの一部(上2段)。下段は方向幕等のメーカーである羽深製作所のコレクション。なお、展示コレクションは定期的な入れ替えが予定されている。 2017.5.9 P:RM芝浦工業大学では、2013(平成25)年10月頃に学内図書館へ学外から多数の貴重な鉄道資料の寄贈の打診があり、それをきっかけに「図書館鉄道技術資料調査委員会」が設けられ、寄贈資料の受け入れの検討と収集・整理を行ってきました。これらの資料の中には、読者の方々にもおなじみの星晃さんや三谷烈弌さん、岸由一郎さんのコレクションも含まれています。今回、これらのコレクションの一部もこのギャラリーで公開されることになりました。これまで、故人となられた方のコレクションの散逸が心配されることがありましたが、こうした受け入れ体制が構築されることは大変意義深いことと言えましょう。展示準備中の車掌車のダルマストーブ(左)と、模型運転用の201系運転台(右)。運転台は実物の廃部品をもとにコンパクトに組み立てられたもの。 2017.5.9 P:RMギャラリー内には485系と115系の実物の腰掛やくりはら田園鉄道で使用された改札や通票閉塞器、車掌車のダルマストーブなども展示されるほか、1400冊の雑誌・書籍が閲覧可能となっています。なお、附属中高では鉄道研究部が活発に活動されており、ギャラリーの運用にも大いに関わることになるそうです。ギャラリー中央に配置されるブックヤード(本の操車場)。鉄道車輌型の本棚で線路上を移動でき、転車台も設けられている。背後に見えるリクライニングシートはクロハ481-3037のもの。 2017.5.9 P:RMギャラリーオープン日の5月21日にはオープニングイベントとして、図書館鉄道技術資料調査委員会副委員長であり、RMライブラリーの著者としてもおなじみの藤田吾郎教授による講演と、鉄道研究部による5インチゲージの乗車体験などが予定されています。また、7月22日には公開講座として「鉄道三昧スペシャル」(講師:三宅俊彦さん)、「今日は一日鉄道三昧」も予定されています(詳しくは下記WEB参照のこと)。ちなみに、校舎の前はかつて東京都港湾局の貨物線が伸びていた場所で、その路線図もギャラリー内に掲示されています。初夏の一日、豊洲・晴海周辺の散策と合わせて、ギャラリーを訪ねてみてはいかがでしょうか。■しばうら鉄道工学ギャラリー所在地:〒135-8139 東京都江東区豊洲6-2-7(有楽町線豊洲駅から徒歩7分、ゆりかもめ新豊洲駅から徒歩1分)開館時間:火曜日~土曜日 10:00~12:30、13:30~16:00(最終受付は15:30)休館日:毎週日曜日・月曜日、祝日 ※そのほか、学校行事などの都合により臨時休館することがあります。詳しくは、WEBの開館カレンダーで確認のこと。入場料:無料WEB:http://www.shibaura-rtg.com