185系

資料館

ラクテンチを訪ねた日。

2008.12.24
 
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日豊本線の下り列車が別府駅を出て右手、温泉街の向こうの山腹に見えるケーブルカーと不思議な形をした観覧車は、海岸沿いの別府タワーとともに泉都・別府のランドマークである。10月下旬、ずっと気になっていたラクテンチを訪ねた。

雲泉寺駅、というよりラクテンチの入場ゲートといった方が正しいだろう。まだ9時の開園前だが、おや、ケーブルが動いている。

時刻表を見ると7時45分が始発。後でうかがったところ、開園前にも職員輸送などを行っているとのことだった。

入園券を買って、改札を抜けるとまず目に付くのがこの標示。昭和24年は戦後の復活時を指すもので、その歴史は昭和4年まで遡る。

停車中の車輌はNo.2「ライト」号。きつい勾配に合わせた独特の形状である。

車体はアルナ工機製。

路線は250m余りと短いが、鋼製トラスの架線柱が歴史を感じさせる。

乙原駅。降りると完全に遊園地の中で、ケーブル目的で男一人で来た者としてはちょっと肩身が狭い。あの不思議な形の観覧車は「フラワーホイール」というそうで、この駅の2階が乗り場になっている。

せっかくなのでケーブルの発車時刻を見計らって観覧車から乗車。登ってきた赤い車体はNo.1「スター」号だ。「フラワーホイール」は2つホイールが1本のアームで連結されていて、アーム自体も回転するから、相当な高さまで上る。もともと山の中腹にあるので見晴らしは抜群である。

「スター」号の車内。天窓もあって非常に明るい。

下に降りた後、係員さんのご厚意で駅付近を見学させていただくと、見事な石積みのアーチ橋があった。乗車していると全く気が付かなかったが、その姿は失礼ながら遊園地の園内とは思えない、荘厳な雰囲気だった。
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2008年12月1日、ラクテンチはいつもより少し早い冬休みに入った。来春、あのケーブルと遊園地に再び賑わいが戻ることを願って止まない。 2008.12.24作成
2009.8.4追記:ラクテンチは多くの人々の声に応え、2009年7月18日に再開、その象徴たるケーブルも装いを一新している。

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