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道路をはしる“台車”のはなし

2007.08.15
 
日通
写真:2007.7.22 仏生山 名取紀之
 新造車や譲渡車の搬入と言えば甲種輸送ですが、JRとの連絡線がない私鉄が車輌を搬入する際に欠かせないのが、陸送用の台車です。
日通
TN20S トラクターと連結された前部の台車。銘板によると1982年9月 東京・調布の東洋車輌工業というメーカーの製品のようだ。 写真:2007.7.22 仏生山 名取紀之
この車輌陸送用の台車、車輌の搬入シーンをご覧になられたことのある方ならお分かりと思いますが、前後で大きな違いがあります。前側の台車は運転室のあるトラクター部分と連結する完全なトレーラーですが、後ろ側の台車にはエンジンが付いています。
日通
PE20S2 こちらが後部の台車。後部側に箱型の発電機を搭載する。形式は銘板による。 写真:2007.7.22 仏生山 名取紀之
エンジン付きといっても自走するわけではなく、発電機としてのもので、独自にタイヤの方向を操舵する機能を持たせたものです。これによって、バック運転の際に、車輌の方向を地上からリモコンで誘導できるわけです。特に鉄道車輌の搬入の場合、車庫内の狭い場所での作業が多く、取り卸し用のクレーン車や架線柱の位置との関係でシビアなバック運転が要求されるわけで、地上の係員さんと運転室の運転士さんとの連携による、正に熟練の技と言えるでしょう。
日通
PE20S2を後ろ側から見る。エンジンの上に載っているのが操舵用のリモコン。おや、後ろに見えるのは… 写真:2007.7.22 仏生山 名取紀之
以前は新幹線も甲種輸送されていましたし、路面電車など小型の車体なら大物車に載せて運ぶ乙種輸送という手段もありましたが、現在ではこうした輸送もなくなり、逆に採算の面から普段は使わないJRとの連絡線を撤去してしまった私鉄もありますので、鉄道車輌の移動を陸送に頼る割合はかなり増えているのではないでしょうか。
日通
長尾線から志度線に転属することでん600形。1435mm軌間のことでんは、譲渡車の搬入がすべて陸送なのはもちろん、琴平線・長尾線と志度線との間の車輌の行き来も当然陸送である。 写真:2007.7.22 仏生山 名取紀之
2007.8.15作成

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