← →NK-71 仙台の市電保存館に展示されているモハ400形用のナニワ工機製NK-71です。仙台市電モハ400形は1960(昭和35)年から4次に分けて計15輌が誕生、車体外観こそ”軽量””簡易”な設計であった都電8000形の影響を受けたものでしたが、その内6輌の足回りは仙台市交通局独自の軸梁式台車を履き、駆動方式にも直角カルダン駆動が採用されるなど、意欲作と言えるものでした。反対側から見たNK-71 保存館の説明文には「落ち葉や積雪によるスリップを少なくする工夫が施されたほか、減速機は、自動車用歯車を使用し、部品の調達を容易にして保守性の向上を図りました」とあります。車輪径は動輪を690㎜、従輪を510㎜として車端側の従輪を小さくした構造、また軸距は1800㎜ですが、心皿の位置を動軸から800㎜として動軸側に偏心させていますから、いわゆるマキシマムトラクションとしての意図があったもののようです。 NK-71を履いたのは1957(昭和32)年ナニワ工機製の408~410号で、この個体は410号のものとのこと。直角カルダン車の残り3輌は1956(昭和31)年新潟鐵工所製の405~407号で、こちらは新潟鐵工所製NP103を履いていましたが、構造はNK-71と同様だったようです。写真:2001.7.14 高橋一嘉NK-71を挟んで並ぶ保存車123号と415号 奥に見える415号はモハ400形でも最後期の1958(昭和33)年に製造された411~415号のうちの1輌。駆動方式は吊掛式に戻り、台車も軸ばね式となっています。仙台市電にとってはこれが最後の新造車となりました。 日付からもお分かりの通りこの保存館を訪ねたのは5年前のことなのですが、保存車の状態の良さには驚かされました。右は仙台市電の1号。これだけ状態の良い木造単車は、国内ではなかなかお目にかかれないものではないでしょうか。ちなみに1号の運転台に運転士のような人影が見えますが…これはマネキンです。仙台市電保存館仙台市営地下鉄富沢駅下車徒歩10分詳しくは仙台市電保存館ホームページをご覧ください。参考文献:『路面電車ガイドブック』東京工業大学鉄道研究部(1976年 誠文堂新光社)2006.5.9作成 これまでに紹介した路面電車関連の台車のリンク