← → 国鉄DT10(旧称TR14)形台車は、大正期の木造電車から、1926(昭和元)年に製造開始された半鋼製車モハ30系の増備途中まで採用されていた釣り合い梁式の台車である。モハ30系の後期から台車枠構造を改良したTR22(後のDT11)へ移行したが、木造省電のものは1935(昭和10)年からの鋼体化によりモハ50系に引き継がれ、戦後もモハ30系や50系から改番されたクモハ11・12を初め、その改造車や私鉄への転用も含めて広く使用された。 写真は伊豆箱根鉄道大雄山線の工事用電車、コデ66が履いていたもので、コロ軸化改造を受けている。コデ66の車体側の前身は、1933(昭和8)年製の鉄道省モハ34001→国鉄クモハ12000。17m級だがモハ40系の一員であり、本来は軸ばね式のDT12を履いている車輌である。国鉄では大垣電車区での入れ換えや美濃赤坂支線の運用を最後に1967(昭和42)年に廃車。その後伊豆箱根鉄道に引き取られ、1969(昭和44)年に駿豆線でモハ66として再デビューしている。台車はこの際に振り替えられたのだろうか。軸距:2450㎜ 車輪径:910mm 軸箱支持:軸箱守(釣合梁) 枕ばね:板ばね写真:1996.3.14 大雄山 高橋一嘉検査上がりの5000系を迎えに小田原へ向かうコデ66。残念ながら1997年に廃車解体されたが、後を引き継いだコデ165も同様にDT10を履いている。 1996.3.13 相模沼田-飯田岡 高橋一嘉2005.10.14公開これまでに紹介した国鉄電車関連の台車のリンクこれまでに収録した伊豆箱根鉄道の台車 DT10 FS542N FS042N