EF58は、戦後の旅客輸送を支える切り札として昭和21~33年にかけて172輌が製造された。初期型は箱型車体で、品質が悪く故障が頻発したが、製造期間の途上で品質改善が図られていった。EF58 35は、1949年に東芝府中工場で製造がはじまりデッキ付の初期型として完成する予定だったが未完成のまま放置され、その後流線型車体の改良型EF58形として1952年3月竣工した。その際、半完成していた旧型車体の両端を切断して流線形の前頭部を接合した。完全新製の流線型車体の側面窓は5枚だが旧車体は7枚で、35・36号機は側面窓が7枚窓の異形車体として登場した。晩年は長岡二区に配置され上越線等で活躍したが、1981年6月廃車された。 ’80.8 長岡第二運転所 P:佐々木裕治