1924年(大正13年)製の大型木造電車で、当時関西私鉄の本線用木造車輌で主流だった「タマゴ」と呼ばれる半流線型の流れを汲む前面をもつが、路面電車で車体断面が小さいためか前面は5枚窓とはせずに3枚窓となった。しかし窓上部にRをもたせるなど、「タマゴ」の流儀は継承されている。台車は本家Brill製の77E1だが、同系台車の国産コピー品がバネ釣に単純な帯鋼を使用しているのに比べ、上下に関節を入れて揺れ枕構造にするなど、凝った構造をもつ。モ101形はモ501形の就役にともない1960年に廃車が始まり、その後電装品をモ351形に流用するため、さらに電装品に加え台車等の走行機器を大阪市電1600形車体に組み合わせてモ121形とするために1967年までに全廃されたが、木造ながら最後まで車体の衰えを見せず美しい姿のまま活躍した。とんがり屋根の引掛け式テールランプなどは本線車輌と共通する。この101号は1966年末に廃車。 ’64.7 帝塚山4丁目 P:小西和之