大正15(1926)年、初代伊賀鉄道が電化するにあたって製造した半鋼製電動車で、1970年代半ばに名古屋線からの転入車に置換えられるまで、半世紀にわたって伊賀線の「ヌシ」として主力の座にあり続けた車両。ヘッドライトこそシールドビーム2灯に代えられているが車体にはほとんど手が加えられず、腰高のサイドにトラス棒、深い屋根にお椀型ベンチレータなど、大正末期の電車の姿を最後までよく残していた。写真は置換えも間近い1974年のものだが、荷物室はちゃんと残してあり、「手小荷物室」と表記されている。 ’74.8.15 上野市 P:小西和之