19歳の誕生日に夜行急行雲海に乗って博多に行った。この1300系は大牟田線の特急列車増発用として1961年に4輌編成2本が製造された。新たに製造された中間電動車2両と、600系から改造された制御車2両からなる。中間車1302.1303は車体・台車とも完全な新製で塗装の色の違いや、窓サッシの大きさの違いからも伺える、側扉は片開き2扉、側面窓は二段上昇窓。製造当初は特急用として使用されたが、2000系の製造により特急運用を離脱し、塗装をアイスグリーン地に赤帯(ボンレッド)の塗色に改められた上で一般車輌に格下げされた。しかし先頭車が半鋼製の狭窓車体であることから3扉化が困難なため2扉のままで、座席もロングシートを増設した以外はクロスシートのままであった。また先頭車の車体構造上、冷房化改造も実施されなかった。このため1985年大牟田線の営業用稼働車両の全面冷房化を実施した際に運用から外された。構造上、宮地岳線への転用改造もできず、1986年に廃車となった。 ’79.11.26 福岡天神 P:松本卓彦