大正時代関西私鉄で流行したタマゴ形木造電車。日本では明治42年製造の南海電弐形がルーツとされるが、この時代にアメリカのインター・アーバンにも同様な車輌が存在するから、もとをただせばアメリカの電車のデザインとも言える。近鉄デワ2831形は車輌限界の狭隘な奈良線用の木造車の成れの果てである。ただし、大阪線で用いるため1500V仕様となり、パンタグラフも日立製の大型を装備。荷物車ながら高速性能を発揮した。後にもと奈良電鉄のデハボ1000形のボディと振り替えたが、昭和43年頃まで木造荷物電車として大阪線や600Vの奈良線東花園までで活躍した。大阪線では見かけに寄らず、100km/h以上の高速だった。’65.5 近鉄大阪線 高安 P:永野晴樹