text & photo:なゆほ
60年以上の歴史があるプラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん の鉄ホビ連載!長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回は2014年からラインナップされ続けている922形ドクターイエローT3編成にクローズアップ!2001年に発売されたセット品「TVで遊ぼう!僕はプラレール運転手」から始まったリアル志向の0系シリーズ。2014年にこれらからさらに派生した0系0番代が新規で誕生しますが、このタイミングで引退から時間が経過した922形もリニューアルされることとなります。
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俗に「新幹線のお医者さん」と呼ばれ、一般の利用者は乗ることができない事業用車ながらも幅広い世代から人気を集めている「ドクターイエロー」。新幹線の開業以来、世代交代を挟みつつ線路の安全を守ってきましたが、車両の老朽化に伴い2025年1月にJR東海保有の923形T4編成が引退、JR西日本保有の923形T5編成も2027年1月に引退を控え、今まで以上に話題となっています。
ですが国鉄時代の頃は今と比べてあまり目立たない存在であったことから、子供向けのおもちゃに起用されることはなかなかありませんでしたが、新幹線の形式が増えてきたことに合わせてか、1996年にプラレールで製品化されました。当初は「ライト付ひかり号」の塗り替え品で、922形の特徴である変則的な窓配置や屋根上の形状こそ再現されませんでしたが、プラレールの新たな新幹線ラインナップとして、改良を加えられながら2014年まで生産され続けました。
そして2014年6月、プラレールの動力更新に合わせて車両単品ラインナップの一部が変更されました。古い金型を使っていたドクターイエローはその型を一新されることとなりましたが、その姿にファンが驚かされることになりました。

▲2014年6月の動力更新と共に登場した「ライト付 922形ドクターイエローT3編成」
2000年に923形T4編成、2005年にT5編成がデビューし、922形T2・T3編成を置き換えました。T4編成のデビューと同時期、プラレールではカメラが組み込まれテレビに繋ぐことで前面展望が楽しめる新規造型の922形が入った「TVで遊ぼう!僕はプラレール運転手」というセット品が発売され話題を集めました。ですが続けて2001年に「700系新幹線」の塗り替え品として923形が登場。翌2002年にはプラレールの新幹線一斉リニューアルが行われ、既存の各製品のディテールが向上。ライト付きの「ドクター・イエロー」として発売されていた922形も例に漏れず、ライト機構を廃止、前照灯の意匠を変更の上、「S-12 ドクターイエロー」としてラインナップに載り続けます。他の車両ラインナップの例からすると、922形は923形で置き換えられそうなものですが、923形の単品発売はなかなか叶いません。2007年3月に発売された「自動のりかえ駅とドクターイエローセット」で初めて923形専用の金型が起こされましたが、単品発売は2014年6月の動力更新まで待たねばなりませんでした。
対する922形は、元を辿れば1976年に発売された「ニューひかり号」が初出の型を使っています。車体の一部の設計を変更する程度で動力更新ができた923形とは異なり、922形は台車自体が車両全体のデザインに影響する構造をしています。そのままの形では動力更新に対応できません。また、昭和に設計された車体が既にリアル志向となっていた大多数のラインナップと比較して少々見劣りしてしまうという印象も否めませんでした。

▲先頭車の分割併合装置が特徴的な前面
折しも、2014年は東海道新幹線開業50周年の年。これを記念して、プラレールでは完全新規設計となった0系大窓車がセット品で登場する事となります。この大窓車の型をベースとして、6月に発売されたのが「S-12 ライト付 922形ドクターイエローT3編成」です。2005年に実車が引退してから約9年越しとなる完全リニューアルでの発売となりました。
旧来のライト付ドクターイエロー、および車体そのものは0系2000番代だった2000年のカメラ付ドクターイエローとは異なり、しっかりと922形をモデルとしたリアルな出来となったのが特筆できます。1979年に製造されたT3編成は0系1000番代をベースとしており、2000番代よりも若干狭い窓を採用しています。プラレールではこの微妙な差を見事に再現し、2000番代金型と比べると窓のサイズが明らかに異なるという外見上の差が楽しめるようになっています。
編成は先頭から1・2・7号車となっていますが、2号車の屋根に設置されている測定用パンタグラフとトロリ線観測ドーム、そして7号車のITVカメラドームは省略されています。0系大窓車をベースとしているため仕方ない点ではありますが、外見上の大きな特徴であっても、全体の印象を捉える点に重きをおくのもまたプラレールらしいところです。。しかし、先頭の1号車(922-21)の光前頭に設置された分割併合装置はしっかりと再現されていたり、両側面で扉や窓の配置が異なるドクターイエロー特有の車体形状は抜かりなく作り込まれています。
T3編成の実車は2005年9月に引退し、7号車(922-26)のみが残され、博多総合車両所での保管を経て2011年から2025年まではリニア・鉄道館で、2025年からはトレインパーク白山で保存・展示されており、今でもその姿を見ることができます。
プラレールのT3編成は2014年6月の発売以来、2026年11月現在に至るまでラインナップに載っています。923形と共に新旧ドクターイエローが今でも店頭で買える状態にありますが、T3編成は引退から21年、923形T5編成も引退間近となり、「ドクターイエロー」そのものが過去のものになろうとしています。相変わらずの人気ですが、今後のプラレールにおける扱いに注目が集まる車両です。
■『さらば、ドクターイエロー&500系新幹線』発売予定!
2027年1月、新幹線の人気車両「ドクターイエロー」こと923形T5編成と、500系新幹線が相次いで引退を迎えます。本書では、引退が迫るこの人気新幹線2車種にクローズアップ。「ドクターイエロー」では、国鉄時代から続く歴代の新幹線電気軌道総合試験車の系譜をたどるほか、現役の923形について、普段はめったに見ることのできない車内や検測システムなどを、新製当時の貴重な報道公開写真とともに紹介します。
2026年11月10日発売予定
定価:1,980円(税込)

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