text & photo:なゆほ
60年以上の歴史があるプラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん の鉄ホビ連載!長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回は2025年夏に発売されたいわゆる「専用連結仕様」のE259系「成田エクスプレス」のセット品にクローズアップ。この製品、一見するとリニューアルされたE259系を製品化したものに見えますが、その連結機構は従来の単品とは異なる仕様で注目を集めました。(編集部)
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主に東京都心と成田空港を結ぶ目的で、1991年に運行が開始された「成田エクスプレス」。運行開始当初から使われていた253系に代わり、2009年から後継車両となるE259系が運用されています。2010年に253系を置き換え、2026年現在も活躍中です。
プラレールのE259系は実車のデビューと同時期の2009年に「S-15 成田エクスレス」として発売され、2011年には前進させると前照灯が、後進では尾灯が光るギミックを搭載した後尾車1両単品の「テコロジー」シリーズとして「TP-05 E259系成田エクスプレス」が登場しています。2015年に動力更新が行われたのち、実車が併結運用を行っていることを踏まえて改良された製品、「S-15 成田エクスプレス(専用連結仕様)」が2019年に発売され、現在もラインナップに載っています。
2025年には実車の新塗装化を反映したものが「連結セット」として発売されましたが、これが今までの製品とは少し違った形だったことで注目を集めました。
▲2025年8月に発売された「E259系成田エクスプレス 専用連結セット」
まず、連結仕様のプラレールの歴史を振り返ります。連結仕様のプラレールの歴史は長く、その嚆矢となったのは1997年に発売された「秋田新幹線開業記念セット」でした。このセットでは後尾車のシャーシ下部に取り付ける専用パーツでE2系とE3系を連結走行させることができるアイデア品でしたが、あくまでも車体外部のパーツで連結を実現させたもので、実際の新幹線車両のように連結器カバーが動作して連結するというものではまだありませんでした。
続いて2002年に発売された「やまびこ&こまち連結セット」でマグネット式の連結器が登場し、連結器カバーを車体屋根のレバーで引き込むことで連結器が出現、車両同士を連結できるというギミックが搭載されました。
このセット以降、「サウンド連結 EF63&あさま」のような例外も挟みつつ、主にJR東日本の新幹線に搭載されるようになったマグネット連結器ですが、早くも2003年には在来線特急で搭載する製品が現れました。以前の連載でも紹介した「S-44 681系スノーラビット」です。実車では幌が収納されている貫通扉内に連結器を仕込むデフォルメを行い、おもちゃながらリアルな機構が人気を博しました。スノーラビット以降は、同様の構造をした車両にこのギミックが搭載されるようになります。
2018年にはマグネット連結器から密着連結器風の構造をしたものとなった「専用連結仕様」と呼ばれるものが現れ、「S-36 東武リバティ」「S-24 パンダくろしお Smileアドベンチャートレイン」で従来の貫通路開閉機構を維持しつつ搭載されました。

▲貫通路の開閉ギミックが無くなった「専用連結仕様」のNEX
冒頭でも述べたように、E259系も2019年に「S-15 成田エクスプレス(専用連結仕様)」としてリニューアルされ、先に出た製品と同じく貫通路が開くギミックを搭載しました。2021年に発売された「E353系あずさ」も同ギミックを搭載していましたが、同時に登場した「S-31 E233系湘南色(専用連結仕様)」にて、初めて連結器をカバーで隠さずに露出した状態で装備した車両が現れます。また、通勤車では初となる連結ギミック搭載となりました。以降、通勤車でも専用連結仕様が増えていきます。
2025年8月、専用連結仕様の車両に新たなバリエーションが加わりました。それが「E259系成田エクスプレス 専用連結セット」です。2023年から2024年にかけて外装がリニューアルされたE259系をモデルに、実車の併結運用をイメージした2本連結の6両編成として製品化したものになります。実車がリニューアルされた頃に企画されたものと思われ、発売時点では既に撤去されていた「N’EX」ロゴが付いた仕様です。「専用連結」というだけあり、単品と同じく貫通扉開閉ギミックがあるのかと思いきや、なんと貫通路が閉じた状態で連結器が露出しているという新形態での登場となりました。また、連結される側は3両とも付随車、動力を持たずにただ連結機能を搭載しただけという、今までの製品でも例が少ない仕様です。
車両単品とセット品はどちらも現行品としてラインナップに載っており、それぞれで旧塗装・新塗装、貫通扉開閉ギミックの有無、そしてセット品の方はリニューアル車ながら既に過去の形態となっているという、少しちぐはぐした印象を受けるE259系のプラレール。旧塗装の消滅からしばらく経ち、単品の動向が注目されるとともに、貫通扉開閉機能を有する「パンダくろしお」の今後も気になります。在来線特急車両の商品展開も、まだまだ目が離せません。

