text & photo(特記以外):なゆほ
60年以上の歴史があるプラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん の鉄ホビ連載!長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回は681系2種にクローズアップ。90年代のJR西日本・北越急行を代表する特急型電車の一つでもある同系ですが、プラレールでの登場は意外と遅い2003年末で、実車の特徴でもある連結のギミックも備えての発売でした。(編集部)
【写真】連結する際のちょっとした「テクニック」も…?プラレール681系のディテールをもっと見る
プラレールは2001年4月の「EH500金太郎」と12月の「S-18 JR九州白い『かもめ』」、および2002年7月の「新幹線一斉リニューアル」以降、ラインナップのディテール向上および新製品の開発が旺盛となりました。90年代末に発売された複数の車種に始まる造型技術の進化により、今まで製品化されなかったような車両が多く登場することになります。
1992年にデビューしたJR西日本の特急車両681系も、こうした流れの中で製品化が実現しました。

▲681系「サンダーバード」と「スノーラビット」
681系は1992年に先行試作車が、1995年に量産車が登場し、主に大阪と富山を結ぶ特急「雷鳥」の後継となる「サンダーバード」として活躍している車両です。2015年に北陸新幹線が開業した際には富山・魚津までの運行区間が金沢までに短縮され、2024年に北陸新幹線が敦賀まで延伸して以降は大阪と敦賀を結ぶ列車となりました。長距離運用による車両の老朽化や、北陸新幹線開業による運用の減少により、2026年現在では多くの廃車が出ていますが、のちに登場した683系と共に京阪神と北陸エリアを代表する在来線特急として今なお活躍しています。
プラレールの681系のデビューは2003年12月25日。それも「サンダーバード」ではなく、北越急行の「スノーラビット」としての発売でした。「サンダーバード」は翌2004年9月30日に発売されています。「サンダーバード」そのものは2003年11月13日に発売された「サウンド・特急サンダバード・セット」として当時の最新型である683系が先行して製品化されており、681系は遅れて製品化された形となります。
単品の681系は実車の併結運用を楽しめるようにするため、貫通型の後尾車にマグネット式連結器が搭載されたのが大きな特徴です。マグネット連結器による「連結仕様」のプラレールは新幹線でいくつか登場していましたが、在来線車両では681系が初の事例となりました。貫通扉が開いて連結器が出てくる構造が話題を呼び、人気を得ています。

▲「はくたか」で見られたJR車と北越急行車の連結も楽しめる。
車体のモデルは先行試作車の量産化改造後の姿としており、非貫通先頭部の特徴的な三角窓が造型されています。先に製品化された683系は電子機器を搭載する関係上、中間車が長いものとなっていましたが、681系では他の新幹線製品のように中間車が短いタイプが採用されました。

▲実際の先行試作車登場時の姿。運転台量産化改造される前で、量産車と比べると窓周りのグレー帯がないほか、窓下帯のパターンも異なっていた。運転台の窓の形状も量産車とは異なる。
P:RM
車体色はもちろん、屋根上のクーラーキセの塗り分けも美しく再現され、2000年代初頭の製品によく見られるリアル志向のプラレールの流れが見えます。「サンダーバード」「スノーラビット」の高い知名度もあってか、以降10年以上ラインナップに載るロングセラー商品となりました。
他のラインナップでも同型の車両のカラーバリエーションが存在するものは数多くありますが、単品とセット品でそれぞれカラーバリエーションが展開されるという事例の方が多く、単品で別のカラーが同時展開していたのはJR九州の885系「つばめ」「ソニック」程度。681系のようにJRと私鉄が同型の車両を保有するために、どちらも通常品として発売されたのはかなり珍しい例でした。
ロングセラーとなった681系のプラレールですが、683系が早い段階で既に製品化されていること、プラレールの動力が2014年から更新され始めたこと、「サンダーバード」の実車も更新工事が始まり外観に変化があったこと、そして2015年の北陸新幹線金沢延伸による「サンダーバード」の運行区間短縮および「はくたか」の廃止による「スノーラビット」の消滅といった出来事が重なったためか、2015年6月に「スノーラビット」がJR九州の「あそぼーい!」に、2016年12月に「681系特急サンダーバード」が新塗装の「683系特急サンダーバード」に置き換えられ、プラレールのラインナップから姿を消してしまいました。681系の後継製品として登場した683系は引き続き販売されていましたが、こちらも2024年に絶版。2026年現在ではいずれも入手困難な製品となってしまいました。
関西と北陸を結ぶ特急から新幹線連絡の中距離列車となった「サンダーバード」に、列車名を新幹線に譲る形で廃止となった「はくたか」。前者こそ現役の列車とは言え、プラレールの世界では過去のラインナップとして歴史に名を残す形となりました。


