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カートレインも牽引機も「レインボー」!?おもちゃらしくもマニアックな展開のプラレールセットの全貌

2026.04.18NEW

text & photo:なゆほ

 60年以上の歴史があるプラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん の鉄ホビ連載!長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回は2023年に発売されたプラレールの「カートレイン」セットに注目します。このセットは「レインボー」カラーのEF65 1118号機が虹色に彩られたワキ10000を牽引するという、カラフルながら発売当時プロトタイプとなった車両は全て引退済みという、異色のセットとなっていました。(編集部)


【写真】カラフルな車両が目を惹くセット!「EF65 カートレイン」の全貌を写真でもっと見る

 今回は以前の連載にて、「車運車」の一部として取り上げた「カートレイン」にクローズアップします。1999年の登場以来、トミカを乗せて遊べるという点を生かして度々製品化されている「カートレイン」ですが、近年発売された最新の製品はなかなか遊び心のあるものとなりました。まずはプラレールの「カートレイン」についておさらいしましょう。


▲カラフルな編成が可愛らしい「EF65 カートレイン」

 「カートレイン」は国鉄が1985年7月に運行を開始し、分割民営化後も四国を除くJR各社で運行されていましたが、1999年に運行された「カートレインさっぽろ」(東青森〜白石間)を最後に全廃されてしまいました。1985年3月のダイヤ改正で余剰となった20系客車とワキ10000、マニ44(JR東海の「カートレイン名古屋」のみ)を有効活用する形で始まった画期的な列車でしたが、自動車の積載時にガソリンを規定量まで減らす必要や、ワキ10000が大型の自動車に対応できないこと、車内販売・食堂車のサービスがないこと、そして車両自体の老朽化など様々な要因が重なり、昭和の終わりから平成の前半までの約14年間の活躍に留まった短命な列車でした。

 そんな中、プラレールとトミカというトミーにおける二大乗り物玩具で遊べる列車であることにメーカーが着目し、1999年に商品名をそのまま「カートレイン」としてプラレールとして発売されることになりました。東京発着の列車は1994年の運行を最後に廃止されていましたが、それから遅れること5年での製品化です。これがまた意欲的な製品となり、牽引機は既存のEF65を銀色に成型しコルゲートを模したクリアテッカーを貼ったEF81 300番代(銀釜)を模した「EF81」と、形式こそ実車同様ながら実際には編成に含まれていなかった20系客車のナハネフ22、そしてトミカが搭載できるワキ10000の3両編成です。ワキ10000の中にはトミカの「ステージア」が積載状態で付属していました。ちなみにこのステージアはトミカ単品がエメラルドグリーン色の塗装だったのに対して、赤色に白い帯というプラレール限定のカラーリングでした。
 翌2000年には牽引機のEF81をピンク色に成型し、付属のトミカも「メルセデスベンツ Aクラス」へと変わった「カートレイン2000」が発売されました。更に翌2001年には、カートレイン名古屋をモデルとした「ユーロカートレイン」が登場。牽引機がユーロライナー色のDD51となり、客車は「ファミリーりょこうサロンカー」で登場したサロンエクスプレス東京を塗り替えてユーロライナーの12系風としたものに、実車ではマニ44となっている貨車はワキ10000を塗り替えたもので表現されました。こちらにはトミカ「レガシィ」が付属しています。
 こうして短期間に3種類が登場した「カートレイン」でしたが、実車が既に引退しているからか車両単品のラインナップとして定着することはなく、2002年頃までに一旦姿を消してしまいます。

▲架空のカラーながら、最後尾となる車両は実車に近い青色が施されている

 ワキ10000の型そのものは貨物列車の編成にアクセントを加える有蓋車として使えることもあり、プラレール博などのイベント内のアトラクション景品としてカラフルなものが数色用意されたほか、イベント限定品として「クリアブルー」「クリアレッド」の2色が発売されたり、2003年7月から2011年まで発売されていた貨車単品「F-02 ワム80000形」として新たな顔を見せるなど、カートレインとしては表舞台に立たなくなったもののプラレールの一員として活躍を見せていました。
 久しぶりの登場となったのは2008年11月に発売された「トミカとプラレールの街セット」でのことで、北斗星カラーのDD51 1068号機にワキ10000が1両の2両編成に、トミカの「ランサーエボリューション」が付属、地上と高架線のエンドレスの中にトミカタウンが広がっているという、商品名の通りプラレールとトミカ両方の遊びを線路上・道路上でできる楽しいセットとなりました。
 2011年9月に発売された「いっぱいつなごう トミカ搭載貨車セット」は先のセットの編成を拡張したものと言え、同じくDD51 1068号機が24系の電源車とワキ10000が4両を牽引するものとなりました。電源車のみとは言え、客車が付いたその姿は正に往年に「カートレイン北海道」をモデルとしており、人気を集めます。その後もカートレインが起用されたセットがいくつか発売されており、2016年にはEH800が、2021年にはEF210が牽引するものも登場。実車では存在しない組み合わせがプラレールらしいと言えるセットでした。なお、2018年には「カートレイン北海道」としてイベント限定品で3両編成が発売されています。

 そしてカートレインの運行が終了して24年が経過した2023年、2011年以来となる6両編成の車両セットが発売されました。「いっぱいつなごう トミカをはこぶぞ!EF65 カートレイン」です。
 今までは基本的に実際に運行されていた列車をモチーフとしていたカートレインの製品でしたが、このセットでは付属のワキ100004両をそれぞれオレンジ・黄・緑・青の4色に塗り分けたカラフルなものとなり、上から見た際にも中が見えるように屋根の中心には塗装が施されずクリア成型のままとなっているという、実車に架空のデザイン要素を追加したプラレールオリジナルのものとなりました。レインボーカラーとなった貨車に合わせるように、牽引するのは言わずと知れたEF65 1118号機の「レインボー」カラーです。ジョイフルトレイン「スーパーエクスプレスレインボー」の牽引機専用のカラーリングのためにこう呼ばれている車両ですが、当の客車は2000年に、1118号機も2015年に引退しており、カートレインともども発売当時既に過去の車両となっているものを組み合わせたという、非常にマニアックな内容がプラレールファンたちの目を引きました。レインボーカラーの貨車を牽引する機関車が「レインボー」と呼ばれたカラーリングというのは、プラレール本来のターゲットである子どもたちには到底伝わりそうにないですが、間に挟まる24系を含めて6両全てで色が異なる列車となったのはなかなか考えられたものだと感じられます。さらに、先着購入特典としてラメ入りクリアカラーのワキ10000が付属したことも特筆できます。

 実車が引退してからもそのポテンシャルを活かした商品展開が行われているプラレールのカートレイン。今後の展開にもまだまだ期待が持てそうです。

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