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姫路の空を翔けた60年前の幻のモノレール「姫路モノレール」の現在と廃線跡を見る!

2026.03.22NEW

取材日:‘26.3.4
text & photo:福島 鷺栖


 2026年3月14日、山陽本線姫路~英賀保間に待望の新駅「手柄山平和公園駅」が誕生しました。この新駅は手柄山平和公園のすぐ北側に設けられ、公園と駅が直結する形となります。手柄山平和公園は1966年に開催された「姫路大博覧会」の会場跡地となっており、運動場などのほか水族館まで備える市民の憩いの場となっています。
しかし、60年前には姫路駅と手柄山平和公園を直接結ぶ公共交通が存在していました。それが「姫路モノレール」です。今回はそんな昭和の姫路の空を翔けたモノレールを現在を見に行きたいと思います。

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実は現在も車両が残る姫路モノレール。資料館となっている展示場所も見どころの一つ。

■姫路モノレールとは

 姫路モノレールは1966年に開催された「姫路大博覧会」のメイン会場である手柄山中央公園と姫路駅の1.6kmを結ぶ形で開業しました。開業時は手柄山から飾磨方面の姫路市街地南部と、姫路駅から市街地の北部への延伸構想もあり、ゆくゆくは日本海側へ抜ける陰陽連絡も担う大規模な構想もあったそうです。
開業直後は博覧会会場への利用もあり、当初は3両編成で毎時4本で運行したそうですが、博覧会終了後は利用も低迷、わずか8年で休止となり、その後1979年に廃止。わずか13年でその歴史の幕を下ろしたのでした。
しかし、モノレール廃止後60年経った今もその遺構が残っているほか、当時の車両を現在も手柄山平和公園内の展示室で見ることができます。

当時の車両が保存されており、現在で車内などを見ることもできる。

■現在の姫路モノレール跡をたどってみた

 姫路モノレールの発着駅でもあった手柄山平和公園には、現在でも「手柄山交流ステーション モノレール展示室」としてモノレール関連資料が車両とともに展示されています。なお、この展示室はモノレール運行当時の手柄山駅のホームであった場所をそのまま活用しており、当時の看板等を現在でも見ることができます。

公園に併設された「モノレール展示室」。当時の乗降ホームであった場所がそのまま活用されている。

展示室の前には、モノレールの台車部分も展示されており、日本では珍しい「ロッキード式」と呼ばれる、鉄製のレールを挟みこむ方式の構造を間近で観察することができます。当時を知るという展示室の警備員の方曰く、ロッキード式という鉄軌道があるモノレールのため、走行音は普通鉄道の車両と同じように「ガタンゴトン」というジョイント音がしたそうです。

展示室の前にある台車モニュメント。運行当時は奥の建物が駅舎。右側がホームで左側に研修庫があった。

 展示室内には当時を再現した時刻表などの掲示物が再現されており、現役時代の雰囲気を存分に味わうことができます。なお、これらの中には運行当時に実際に掲出されていた本物もあるそうです。

■今なお残るモノレールの遺構をたどって

 手柄山から姫路駅までは1.6kmという距離のため、その気になれば徒歩でその遺構をたどることができます。手柄山平和公園から船場川沿いに歩いていくと、新幹線の高架を越えた場所にコンクリートの建造物が現れます。これこそが60年前のモノレールの廃線跡です。

奥に新幹線の高架が見えるが、手前のコンクリート建造物こそ姫路モノレールの高架橋そのもの。

モノレールの遺構は姫路駅周辺にも残っています。建物の屋上に橋脚が残っている個所もあり、都市の中の異質感を感じることもできるでしょう。ぜひ、新駅と合わせて60年前の「姫路モノレール」の記憶をたどってみてはいかがでしょうか。

山陽電鉄の高架付近に残る姫路モノレールの橋脚群

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