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特集・コラム

元・特急「しらさぎ」681系が大変身!「FUTURE TRAIN KYOTO DINER & CAFE」がスゴかった。

2025.12.14NEW

text & photo(特記以外):舛口真髙

 京都鉄道博物館北側の山陰本線貨物短絡線廃線跡高架橋上に、特急「しらさぎ」や「サンダーバード」で使われたクロ681-4の廃車体を活用した飲食店が2025年9月20日(土)にオープンしました。店舗のコンセプトは「未来行き」の列車による新しい食の体験空間としたもので、紅梅色に再塗装された車内は没入型体験空間として、まるで銀河鉄道999のコンピュータールームを連想させるような空間となっています。飲食スペースは車両型のボックス席と、オープンタイプのテラス席などが用意されています。

【写真】レストランに生まれ変わった681系!内装やメニューの写真をもっと見る

■じわりじわりとその数を減らす681系

しらさぎ色の681系0番代。写真はW08編成。

‘24.2.22 北陸本線 金沢 P:宮島昌之
(鉄道投稿情報局より)

 古くは臨時「雷鳥」そして「スーパー雷鳥(サンダーバード)」として運用されていた681系。その後1997年に列車名を「サンダーバード」とし、さらには北越急行ほくほく線の特急「はくたか」にも起用され最盛期を迎えました。2001年からは増備型であるモデルチェンジ車683系も加わり、新幹線開業前の北陸の特急街道を支えた名車両と言えるでしょう。

 とはいえ黄金時代も永遠に続くわけではなく、一番の転機となったのは2015年の北陸新幹線金沢延伸でした。これにより「サンダーバード」は運用範囲を縮小され、北越急行へ直通する「はくたか」は廃止。そしてこの時から「しらさぎ」運用に入るようになりました。

 2024年の敦賀延伸時には古巣である金沢総合車両所がなくなったことに伴い、吹田総合車両所京都支所へ全車両が転属。その後も廃車が進行し、今回「FUTURE TRAIN」として活用されたのはW15編成で、2024年に廃車となった編成でした。

■生まれ変わった681系 レストランとして再出発

 クロ681を改造した車内は、言われなければもともと実際に使われていた鉄道車両とは思えないほどの近未来的な装いに大変身しています。またボックス席は食堂車風の作りに。未来がテーマでありつつも、往時を知る人からしたらどこか懐かしい雰囲気を持っています。
 またバーカウンターは「フューチャーバー」と名付けられ、各種ドリンクを楽しむことができます。オープンエアのテラス席も備えられており、開放感ある外の空気に触れながら食事をすることもできるでしょう。 

 681系のボディーにはこの店名にもあるフューチャーの「F」と「未来」、「梅小路の梅の花」を組み合わせたロゴマークが入り、装いも新たになっています。

 このお店は梅小路エリアにおける観光施設は多いながら飲食店の少なかったこのエリアの地域活性化を目指しているようです。

 アクセスは山陰線の梅小路京都西駅の目の前。週末の夜の利用にはWebサイトからの予約を入れての利用が確実でしょう。

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JR西日本の特急型電車の礎
681系を徹底追求!

 JR西日本がJR化後に初めて設計・開発を行なった特急電車であり、北越急行線内での在来線最速の160km/h運転など、北陸特急の顔であった681系特急電車を取り上げます。


 北陸本線だけにはとどまらない681系が走行した足跡(カラーグラビア)から富山地方鉄道など私鉄にも乗り入れていたシーンを紹介。また、ここ30年間で、特急「雷鳥」の置き換えから、北陸新幹線延伸開業など刻一刻と変化した北陸特急の歴史を振り返ります。
 さらに1992年当時に新生北陸特急向けとして登場した681系先行試作車のディテールを各車ごとに見て行くほか、各列車のサイドビューや北陸特急のいまのレポート、そして京都で近未来の鉄道をイメージしたレストランカー「フューチャートレイン」のディテールも紹介します。そして資料性の高い車歴簿、編成表、先行試作車の車両図面も掲載します。

2025年12月11日発売!
定価:2,800円(税込)

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