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懐かしの姿へ復刻!関西大手私鉄各線で今盛り上がりを見せる「リバイバルカラー」たちを一挙紹介!

2025.08.31

text:鉄道ホビダス編集部

 鉄道車両は長いものだと30年〜50年程度使われることも多く、長生きすればするほど設備や外観が見劣りしていってしまうのは、ある種宿命のようなものです。そうした際に外観や内装、機器類を現代の水準にアップグレードする「リニューアル」や「更新」が行われることもしばしばあります。こうなるとデビュー時のオリジナルカラーは失われていくのが常ですが、そのリニューアルからしばらく経つとこうしたオリジナルカラーも懐かしむ対象となり、リバイバルされることも多いです。

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 昨今、関西大手私鉄各社でそんなリバイバルカラーが続々誕生しており、ちょっとしたブームのような様相を呈しています。

■阪神8000系「赤胴車」復活

2015年から10年ぶりに復活した赤胴車。今後順次8000系はこの赤胴車に復刻される。

‘25.8.24 山陽電気鉄道本線 大塩  P:藤倉顕治
(鉄道投稿情報局より)

 今一番ホットな関西私鉄のリバイバルカラーがこの阪神8000系の赤胴車でしょう。なおこちらは2025年から3〜4年かけて順次この赤胴車カラーに全編成が変更予定となっています。さらに、阪神電鉄の開業120周年記念関連施策であると同時に8000系を除く急行用車両も、標準色を従来のオレンジから、往年の赤胴車を継承した「Re Vermilion(リ・バーミリオン)」と名付けた色に変更されます。

 阪神8000系は2002年より順次開始されたリニューアル工事により車体下部をホワイトに、上部をオレンジとした現行塗装へ変更されており、2015年に最後まで残った未更新車がリニューアルされたことで一時消滅。この8000系においては10年ぶりに赤胴車が復活したことになります。こちらは徐々に本数が増え続けることとなるため、今後さらに注目される車両になることでしょう。

■京阪2200系リバイバルカラー

 1964年に登場した京阪最古参の車両である2200系ですが、こちらも2024年から1編成がリバイバルされ、現在も活躍中です。これは昨年ちょうどデビュー60周年を迎えるにあたり施されたもので、こちらは2013年に京阪線における旧一般塗装が消滅して以来11年ぶりに復刻しました。
 このリバイバルカラー、発表時のリリースでは「1988(昭和63)年当時の状態に復元」とあるように、塗装だけにとどまらず、切り抜き文字の車番のほか、社紋プレートまで復活しており、徹底して「1988年」を再現している点にも注目したいところです。

■南海電鉄リバイバルカラー各種

 関西私鉄の中でも、2025年現在多数のリバイバルカラー・仕様の車両が運行されており、特に注目されている鉄道会社と言えるでしょう。いずれも当面の間の運行とされていますが、置き換えが迫る車両もいるため、記録は早めにしておきたいところです。

●南海10000系

 今年でデビュー40周年を迎えることになる南海10000系も、1編成が現在登場時に纏っていた緑系のリバイバルカラーになっています。これは南海電鉄創業140周年を記念して行われているものです。ただし10000系へのリバイバルカラーはこれが初めてではなく、実は10年前の創業130周年時(2015年)にも一度行われており、塗装自体は10年ぶりの復活となります。

 今回はシートカバーにも140周年を記念したロゴが印刷されており、見るだけではなく車内も楽しむことができます。

●南海7100系

 南海10000系は自由席車(一般車)と混結も特急「サザン」。もちろん併結相手となる自由席車にもリバイバルカラーが存在します。それがこの7100系です。こちらは10000系より一足早い2024年から復刻されており、現在では稀にリバイバルカラー同士で連結して運用に入ることもしばしば。往年の緑の濃淡色の車両が多くいた頃の南海電車を彷彿とさせるシーンが今もなお見ることができます。

●南海6000系

古参の6000系がホームドアが設置された現代の難波駅に入線する。時空を超えた共演が楽しめるのも今のうち。

‘25.5.16 南海電気鉄道 高野線 難波 P:東條ともてつ

 南海のリバイバルは南海本線系統にとどまらず、高野線でも見ることができます。それがデビュー時のステンレス無塗装を再現した6000系です。6000系は1962年に登場し、2025年現在デビューから63年を数える大ベテランな上に、現在南海電鉄で特急車を除き唯一の片開き扉を持つ車両です。そんな6000系がリバイバルされたのは2023年のこと。もちろんただ無塗装にしただけではなく、緑地の車番プレートや旧社紋も設置され、限りなくデビュー時に近い状態を再現しています。

●旧泉北高速鉄道3000系

 2025年4月に南海電鉄へ吸収合併された旧泉北高速鉄道の3000系も2024年より側面の青い帯と「SEMBOKU」ロゴを撤去したオリジナルデザインに復刻されました。南海へ合併するのに前後して、この3000系のスタイルにも変化があるのではと注目されていましたが、泉北高速鉄道の社紋もそのままに、2025年8月現在もこの復刻デザインのまま運用されています。先述の6000系無塗装リバイバルと同時に、南海高野線系統で今注目されている車両の一つです。

■厳密にはリバイバルではないけれど…

 最後に厳密にはリバイバルカラー・仕様というわけではありませんが、往時の姿をイメージした装飾という点で阪急8000系・8300系の「Memorial8000」「Memorial8300」仕様を紹介します。
 こちらは「Classic8000」として2019年より8000系デビュー時の姿に復刻されていた神戸線8000系8000編成が、前面車番位置の変更をはじめとしたリニューアルを2021年に受けたことから始まりました。もともと飾り帯装飾があったところに車番が入ったことなどで、外観に大きな変化がありましたが、それでも「Hマーク」をはじめとした8000系デビュー時の頃を可能な限り感じられる装飾がこの「Memorial」シリーズでしょう。

 いずれも他の個性豊かな車両たちと共に、今のうちに楽しんでおきたいところ。関西の大手私鉄のリバイバルカラーを纏った車両たちから、ますます目が離せません。

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