text & photo:RM
取材日:’25.3.8 場所:若葉台車両基地
取材協力:京王電鉄
京王電鉄では、2000年に投入が開始された京王線用9000系のリニューアルを順次施工すると発表していましたが、その第1弾となる9731編成がサンリオキャラクターのラッピングトレインとしてお披露目されました。
▲ハローキティとシナモロールも会場に駆けつけてくれました。バックの電車のLED表示部分にも注目!
9000系には8両編成と10両編成が存在しますが、今回リニューアル対象となっているのは10両編成のみ。9731編成は10両編成のトップナンバー編成でもあります。
▲従来のピンク色からグレーのモノトーンとされたシートが都会的。袖仕切りも新しくなりました。
▲車端部には各車に優先席とフリースペースを設置。
内装は「都会的で飽きの来ないデザイン」をテーマとしており、従来のシートモケットがローズピンク色だったのに対してグレーのモノトーンを採用した点が大きく目を引きます。シートにはスプリングがプラスされて座り心地も改善されているそうです。背ずり部分には、商業施設や高層ビルが立ち並ぶ景観をイメージした幾何学模様が織り込まれ、生地にグラデーションを使うことで、郊外から都心へと移り変わる街並みの明るさを表現していると言いますので、ぜひ注目したいところです。また、袖仕切りは大型化され、部分的に透明材が組み込まれた凝ったものとなっています。
各車に優先席とフリースペースが設置されており、手すり・吊り革はオレンジ色に着色、手すりには滑り止めのディンプル加工が施されているのも特徴です。
▲SiC素子を用いたVVVFインバータ制御装置。
▲補助電源装置SIVも更新対象となりました。
▲主電動機はPMSM(永久磁石同期電動機)に更新されました。
走行装置に関しては、環境性能をさらに高める施策としてフルSiC(シリコンカーバイド)素子を用いた新型のVVVFインバータ制御装置(VVVF未搭載車と比較して約70%、現行9000系車両と比較して約20%の省エネ性能向上)を導入し、消費電力のさらなる削減や車両の軽量化によるカーボンニュートラルの実現を目指しています。また、SIV装置はIGBT素子の並列同期運転方式となりました。主電動機も交換され、PMSM(永久磁石同期電動機)が採用されています。
▲ドア両脇の戸袋部分にサンリオの様々なキャラクターが描かれています。
外装のサンリオのラッピングについては、前頭部に濃紺とゴールドの落ち着いた色味を基調とし、正面・側面にはサンリオの人気キャラクターたちが京王電鉄の制服を着用したデザインとなっています。前頭部のデザインはサンリオピューロランド最寄りの京王多摩センター駅の装飾とあわせたもので、サンリオの世界観を楽しめるものとなっています。
オリジナルヘッドマークは4月21日までという比較的短い掲出期間となっているため、撮影・記録はお早めに。
©2025 SANRIO CO.,LTD. TOKYO, JAPAN 著作 株式会社サンリオ