185系

特集・コラム

今後が気になる姉妹車両!「事業者限定」の京成3100形と新京成80000形のプラレールを見る!

2025.02.22NEW

text & photo:なゆほ

 60年以上の歴史があるプラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん の鉄ホビ連載!長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回は京成グループで見られる3000形以降の標準車体を持つ車両のうち、京成3100形と新京成80000形のプラレールにクローズアップ!いずれの車両も事業者限定品で、定番品ではありませんが、注目度・人気ともに高い製品になっています。(編集部)


【写真】そっくりな京成3100形と新京成80000形!プラレールの違いは?写真で見る!

 複数の鉄道会社で共通設計の車体を持つ電車を導入し、部品の共通化や保守作業の簡略化を図っている例は多くありますが、京成グループほどカラーバリエーションが豊かな会社は他になかなかありません。京成グループの電車の特徴と言えば、京成3000形以降で採用されている京成グループ標準車体の存在があります。
 この標準車体による共通設計化により、京成電鉄・新京成電鉄・北総鉄道・千葉ニュータウン鉄道のグループ4社で車体は同じであるものの、外見と内装にそれぞれの特色が出ていてバリエーション豊かです。
 京成3000形(3050形)・3100形、そして2月22日に営業を開始する新型車両3200形に、新京成N800形・80000形、北総7500形、千葉ニュータウン9200形と、4社8形式を数えます。2025年2月現在、プラレールでは3200形と9200形を除く形式が製品化されています。
 これらのプラレールは実車同様、同じ車体を使って作られています。このうち、前面デザインが一新された京成3100形と、その姉妹車両である新京成80000形のプラレールをご紹介していきます。

▲2021年7月発売の「新京成80000形」と、2024年2月発売の「京成3100形」

 京成3100形は2019年10月にデビューし、成田スカイアクセス線を走る「アクセス特急」での運用をメインとした電車です。今までの京成の車両とは異なる明るいオレンジ色の帯を巻いたデザインとなり、京成本線系の電車との差別化が図られています。車内の8人掛けロングシートは中2席分が跳ね上げ式となり、空港利用客が持つ大きな荷物の収納スペースとなる設備が特徴的です。
 新京成80000形は同年12月にデビューした車両です。京成3100形と共同開発ながら、跳ね上げ式座席は無く、車内デザインや編成の両数、床下機器の差異はありますが、外見だけを見ると色違いの電車という印象です。

 プラレールでの製品化は実車の登場順と前後し、80000形が2021年7月、3100形が2024年2月に発売されました。それでは両車を比べてみましょう。

▲横帯一本と窓周りに装飾がある3100形に対し、新京成標準色の80000形は窓下のピンクと白のデザインが目立つ。

 3000形タイプの車両たちではスカートの表現がありましたが、近年の車両の流行りと言える前面のデザインに合わせたスカートは、3100形・80000形では省略されています。実車においては重要かつ特徴的なパーツですが、プラレールではスカートが無くてもあまり違和感がありません。設計上プラレールのスカートを下方へ伸ばすことは不可能に近いため、無理に寸詰まりの状態で表現すると前面が間延びして見えてしまうのを回避したものだと考えられます。
 前面下部の内側に折れたデザインや、角ばった尾灯・標識灯のケースは立体的に表現され、斜め前から見ると直線的なデザインが目立ちます。両車とも塗装・印刷で車体色を表現していますが、3100形の幕板部にある「KEISEI」のロゴのみシール表現です。
 屋根色は3100形が濃いグレー、80000形は薄いグレーで塗装されていますが、クーラーキセの塗装は省略。こういったところもプラレールらしいです。
 編成はどちらも第1編成で、3100形が成田空港方を、80000形が松戸方を先頭車にしています。
 ボディーは2010年発売の3000形他の車体を使っているため、動力は一世代前の通称「新動力」を搭載。中間車と後尾車の台車はここ数年で登場した輪軸とタイヤが固定されたタイプの新型を履いています。これらの後に再販された「京成電鉄3000形」「北総鉄道7500形」はどちらも従来の台車を履いていたため、同じ車体と言っても部品単位では「新製品」「再販」で扱いが異なるようです。

 80000形は2021年の発売後しばらくして完売していましたが、3100形発売後の2024年4月に再販。新京成が京成と合併するのを控えている事からかあまり生産数は多くなかったようで、2025年2月現在では再び完売しているようです。ちなみに3100形は現在でも購入可能です。
 京成との合併後に「新京成線」から「京成松戸線」になった際には最新車両の3200形も乗り入れることが決定しており、沿線の顔ぶれも徐々に変わっていくかもしれません。

 今後の動向に注目の新京成80000形。合併後には「京成80000形」として再びプラレールになるのか、それとも別の道が待っているのか、次に3100形と並べられるようになる日が楽しみです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加