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【覚えてる?】赤色帯でお馴染みの京葉線にいた「スカイブルー」の電車は一体?

2025.02.23NEW

text:上石知足(鉄道ホビダス編集部)

▲京葉線全線開業前夜。スカイブルーの京葉線103系と並ぶワインレッド帯の205系。

‘89.11.23 津田沼運転区新習志野派出所 P:RM

 東京駅から蘇我駅を結ぶ京葉線。現在ここを走る一般車両は、武蔵野線へと直通するオレンジ帯8両編成の電車を除いて赤(ワインレッド)帯で、路線カラーも同様です。ですが、この京葉線は開業時からワインレッド色の電車が走っていたわけではありませんでした。

【写真】懐かしい京葉線の「青い電車」!貴重な開業まもない頃の写真も!

■最初の京葉線はスカイブルーだった

 京葉線の旅客営業は1986年3月の西船橋〜千葉港(現・千葉みなと)間開業まで遡ることができます。この時投入されたのは、京浜東北線や横浜線からやってきた103系でした。そしてこの103系の塗装はスカイブルー(青22号)に統一されます。
 ちなみに、東京まで全線開業するまでの間一時的に、習志野電車区の中央・総武線各駅停車103系(カナリアイエロー)を借り入れて運用されていたという記録も残っています。

■205系の登場で京葉線=ワインレッドへ

 1990年に京葉線は新木場〜東京間が完成し、晴れて全線開業しました。この際に従来の103系に加えて導入されたのが装いを一新した205系でした。この205系は前面も従来のものから丸みを帯びたFRP製の新たなデザインに改められ、柔らかな印象と沿線の遊園地の存在から、レイル・ファンからは「メルヘン顔」とも呼ばれました。そして帯色は、国鉄末期に四国向けに投入された近郊型電車121系で初採用されたワインレッド(赤14号)とされました。
 この205系の導入により、路線カラーも車体帯同様のワインレッドとなりましたが、103系に赤14号が塗られることはなく、依然としてスカイブルーのままとされました。

■103系の置き換えで入った201系もスカイブルーに

 京葉線103系はその後老朽化を理由に置き換えられていくことになります。この103系は、中央・総武線から転属してきた201系や、山手線からの205系で置き換えられていきました。転属してきた205系は生え抜きの「メルヘン顔」編成と同様にワインレッド帯に貼り替えられましたが、201系は103系と同じ鋼製車体のため、塗装はスカイブルーを踏襲することになります。
 そして2005年に103系は引退したものの、「路線カラーはワインレッドなのにたまに青い電車がやってくる」…という状況に変わりはありませんでした。

■京葉線「青い電車」の終焉

 部分開業時から20年以上在籍した「青色の京葉線」。2010年7月からは新造されたE233系5000番代により、201系・205系・209系といった従来車両が順次置き換えられていくことになります。ただしE233系5000番代は最初に貫通編成がデビューし、まず205系や209系の置き換えに回ります。当時、京葉線に残っていた青い電車は分割運用に対応する201系10両×4本で、当然貫通編成では置き換えることができません。201系の置き換えは分割編成の落成を待つことになります。
 そして2010年12月にE233系5000番代の分割編成1本目が落成し、201系も置き換えがいよいよ開始。2011年6月には京葉線最後の「青い電車」であった201系はついに引退します。以降、京葉線で運用される一般車両(8両編成の武蔵野線直通車や特急・臨時列車など除く)は全てワインレッド帯の車両に統一されることとなりました。

 京葉線から201系が引退してから14年が経つ今年。同線に「青い電車がいた」という記憶もだんだん遠いものとなってきました。

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