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特集・コラム

鉄道模型雑誌の「ジオラマ写真」知られざるその撮影の裏側 教えます!

2024.05.22

text:RM MODELS編集部

▲木造住居が軒を連ねる路線風景を再現したジオラマ。写真はRMMODELS 334号掲載の「旧型国電の残照」から。

車両製作:和田有宏氏

 鉄道模型雑誌では、タイトルカットごとに車両模型が引き立つ形のいろいろな場面設定の中で作品や製品を撮影することがあります。特に実際の路線風景を模したジオラマは魅力的に目に飛び込むかもしれません。そしてこうした写真を見て、情景付きレイアウトや、ジオラマ作品に興味や憧れを持ち、製作をするキッカケになったというモデラー諸氏も多いのではないでしょうか。
 たまに読者の方から「どうやって短期間であのクオリティのジオラマを作っているんですか?」と聞かれることもあります。実際、短期間で巨大かつ精密なジオラマを作るのは至難の業です。そのためタネを明かすと、下にある写真のような作りをしており、ジオラマ的にストラクチャー類が固定設置されているのはごく一部だけ、そのほかの建物はすべて「背景」として独立したもので、その都度用意させているだけなんです。

▲撮影セットは情景模型というより、背景の青空と、建物のストラクチャーを組み合わせて撮影した…といったほうが早いかもしれない。

 写真撮影のためだけに作られたものであり、模型的に完成していなければインチキのように思われますが、それこそ情景模型作品そのものがメインの記事はともかく、あくまで車両模型を紹介する場合の情景は演出のための舞台装置であり、極端に言えば写真に撮って、見る人がリアルに感じてくれたら、この情景模型の役割は十分に果たしていることになります。

 それでは、次の写真はどうでしょうか?

▲これもリアルに見えるジオラマだと思います。コンクリート築堤場を行くロマンスカーMSE。河川を渡る直前か、河川と並行する区間を行く姿でしょうか?

 MSEの写真に対して、もう一つの写真もご覧ください。

▲夕焼けの中の橋梁を行くキハ40広島色。下から見上げることで高い所の橋梁上をゆっくりと進むローカル列車の郷愁感あふれる情景模型写真になっていると思います。

 ご覧いただいた二枚の写真とも、最初の情景模型と同じように、固定式のいわゆる「ジオラマ」は作っていません。バックを彩る空の背景紙で情景の大部分を補っているんです。じゃあ実際どんな環境で撮影しているかというと下の写真の通りです。

▲MSEを撮影した設備。青空背景紙と築堤と線路と車両だけ。

▲キハ40を撮影した設備。夕焼け背景紙と鉄橋と車両だけ。

 バックグラウンドを知ると意外にも簡素な作りに思えますが、これもまた「模型車両をカッコよく撮るため」という役割を考えれば十分に効果を発揮しているといえます。もちろん特定の車両をより映えさせるためにジオラマ製作を楽しむのもアリですが、そうしたジオラマがあったとしても、低いアングル(空が見えるアングル)で撮影する際に、空の背景紙があるかないかで、そのリアリティは格段に向上することでしょう。

ちなみに今回使用したこの青空/夕焼けリバーシブル背景紙、どこで手に入るか?といえばネコパブショップ直販サイトで「スーパーリアル鉄道情景vol.7」を買うと今ならもれなく1枚写真の背景紙が付いてきます。こちらもぜひお求めください!


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