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福岡・大分の名店が供するお食事も楽しみ! ゆふ高原線の新しいD&S列車「かんぱち・いちろく」

2024.04.20

text & photo:RM
取材日:’24.4.19 場所:小倉総合車両センター
取材協力:九州旅客鉄道

 JR九州では、久大本線を走る新しいD&S列車として「かんぱち・いちろく」を2024年4月に運行開始します。その車両が報道公開されたのでご覧に入れましょう。

▲1号車外観(2R-16)。片運転台のキハ47形「いさぶろう・しんぺい」がベース。

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(JR九州プレスリリースより)

 列車は3両編成で、極めて特徴的ですが両端がキハ47形、中間がキハ125形の改造という、異系列混結となっています。両形式では車体断面も異なりますが、統一されたデザインが施されほとんど違和感を覚えない仕上がりとなっているようです。形式は3両とも「2R形」(2人のロマンスカー、の意)とされ、車番は1~3号車の順に16、80、38となっています。

▲2号車(2R-80)はキハ125形がベース。

▲3号車(2R-38)は1号車と同じく元「いさぶろう・しんぺい」のキハ47形がベース。

外観について
 重厚感のあるツヤありの黒をベースとし、車体に沿線の景色が映り込むのがデザイン上の狙い。側面には久留米~大分までのゆふ高原線(久大本線)の路線図がゴールドで描かれ、また車体上下には同じくゆふ高原線の各駅駅名がアルファベットで羅列されています。

 車体側面の窓は3両とも固定式で大型のものとなっており、座席割の関係で大きめに窓が埋められた部分もあることが特徴と言えるでしょう。元「いさぶろう・しんぺい」のキハ47形に関しては、運転台寄りの客扉をなくして、後位側の1扉車とされています。また、中間となるキハ125形も運転席自体は残されています。

車内について
 1両ごとにまったく異なる車内となっています。

〇1号車
 大分・別府エリアの風土をモチーフとしたデザインで、火山や温泉をイメージさせる赤をベースとしたシートとなります。3名用ソファ席が5席。4名BOX席が1席、6名BOX席が1席のほか、6名用畳敷き個室が設けられ定員は31名。

▲1号車の3名用席部。

▲6名用BOX席。

▲運転台直後に設置された6名用畳敷き個室。

〇2号車
 由布院・日田エリアの風土がモチーフのデザインで、定員は0名のラウンジカーとなります。樹齢約250年ものの杉の一枚板カウンターが見もの(全長約8m)。ビュッフェともなっており沿線の美味しいものが販売されるとのこと。

▲2号車ラウンジカーの車内。

〇3号車
 福岡・久留米の風土をモチーフとし、同地の雄大な平野や山をイメージさせる緑と青をベースにデザイン。半個室形BOX席がメインとなっており、プライベート空間が確保されています。具体的には4名BOX席×3、3名BOX席×1、2名BOX席×4、これに6名用畳敷き個室を加えて定員は29名。また、車いす対応席を2枠、多目的の手洗いが1つ、男性用手洗いが1つ設けられています。

▲3号車の車内。左手が4名用BOX席、右手が2名用BOX席。

▲運転台直後に設置されている6名用畳敷き個室。

 

 上表の通り、1日1便片道のみの運行で、「かんぱち」(月・水・土運行)が博多→由布院・別府、「いちろく」(火・木・日運行)が別府・由布院→博多という運行パターン。車内で供されるお食事は曜日変わりで、「かんぱち」が福岡の名店、「いちろく」が大分の名店がそれぞれ担当します。旅行代金には乗車券と食事代が含まれており、このもれなく楽しめるお食事が大きな魅力であることは間違いありませんね。

 運行は4月26日(金)、つまり「いちろく」として開始される予定です。

 

 

 

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