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【鼻がチャームポイント】多彩すぎるプラレール「ニューひかり号」のバリエーション

2024.03.01

text & photo:なゆほ

 60年以上の歴史があるプラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん の鉄ホビ連載!長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回は1976年に登場した「ニューひかり号」を端に発する製品群を振り返ります。当初は「青い鼻」を付けて登場しましたが、後年「ライト付」となったほか、200系としてもこの金型が使用されたり、その製品バリエーションは多岐に亘ります。(編集部)


 プラレールは2024年で誕生から65周年を迎えました。1959年の「プラスチック汽車」に始まり、1961年に初の電動車「電動プラ汽車」を発売、1964年の東海道新幹線開業に合わせて初めて実在車両をモデルとした製品を発売した事で、現在まで続く「プラレール」を確立しています。
 今回は、プラレールの地位を確固たるものに押し上げたと言っても過言ではない車両である0系新幹線「ひかり号」についてご紹介します。モデルは同じものでも、時代により非常にバリエーション豊かな車両です。

【写真】多彩な「ニューひかり号」タイプのプラレールを写真で見る!

▲これが最初のプラレール新幹線「プラスチック夢の超特急」

 1964年10月に東海道新幹線が開業し、それに合わせてプラレールでも新幹線電車が製品化されました。これが実在車両がモデルとなった初の製品です。手転がしの4両編成と電動の3両編成が用意されました。
 新幹線電車の光前頭、いわゆる「鼻」に当たるパーツは、手転がしでは青いクリアパーツ、電動車では赤いパーツとなり外観でも差別化が図られています。この時に製品化されたものは運転台の窓が曲線を描いている車両で、明らかに0系ではなく試験車両の1000形がモデルなのが分かる作りでした。電動車の方が売れ行きが良かったらしく手転がし車両は後に廃止され、以後プラレールと言えば「電動車」「3両編成」というイメージが定着します。
 さらに当時は塗装技術が未熟だったためか、カラーリングは「白い車体に赤い台車」という実車とはかけ離れた装いでした。1970年頃に車体が更新され1000形タイプから0系タイプへ、1972年頃には実車同様の白い車体に青い帯となり、1976年まで生産され続けるようになりました。徐々に実車に近い見た目となりましたが、「鼻」は赤いパーツのままでした。

 プラレールに限らず、1960年代から80年代に生産された新幹線のおもちゃは何故か「赤い鼻」で作られる例が多く見られます。これは実車の前照灯点灯時、アクリル製の「鼻」が尾灯点灯用の赤いフィルターを通して、若干ながら赤く光って見えたものを表現したものだと考えられます。実車の「鼻」はアクリル製時代が薄いグレー色、見方によっては青くも見えていました。のちに破損対策でFRP製に更新されてからは、グレー色や黄土色、車体色であるクリーム色・白色などいくつかのバリエーションがあり、同じ形の車両ながらも様々な表情を見せてくれました。

 1976年になり、プラレールの「ひかり号」に改修が入り、これは2014年まで生産され続けるロングセラーボディになりました。これが旧来の「ひかり号」に対して「ニューひかり号」との商品名で発売された事から、一部ファンの間では「ニューひかり号金型」と呼ばれる例があります。
 この「ニューひかり号」は今までの赤い鼻を廃止し、実車のアクリル製光前頭をイメージしたと思われる青い鼻になって登場し、実車の特徴を上手く掴んだ上品な外観となりました。
 しかし後年、ライト機構を組み込んだ「ライト付ひかり号」へと更新された際に再び赤い鼻に戻ってしまい、青い鼻の「ひかり号」は短期間の生産で終わってしまいました。

▲1976年から2014年までの長期間に渡り生産された「ニューひかり号」タイプの第1号製品

 「ライト付ひかり号」は1996年までの長期間に渡り生産され、多くのバリエーションが誕生しました。1996年以降は「ウエストひかり」「ドクター・イエロー」「ニュー200系新幹線」などに姿を変え、1999年にはプラレールファンクラブ限定品「アニバーサリーアルバム」でディティールアップを施した仕様で「ライト付ひかり号」が復活。黄色い鼻になり、前照灯の光が鼻を照らしているイメージになりました。
 2002年の新幹線一斉リニューアルに伴いライト機構が廃止され、砲弾型のライトも丸型に改修。さらに実車に近づきましたが、2000番代を製品化した通称「新規金型」が登場した事で、0系新幹線の型としては一線を退きます。その後、2014年まで生産された「ドクターイエロー」が動力更新に伴い新規金型に更新された事により、1976年以来38年間に渡り生産され続けた「ニューひかり号」タイプ金型の歴史は幕を閉じました。

 今年で「ニューひかり号」タイプの絶版から10年が経ちますが、今でもプラレールの0系新幹線と言うとこの形を連想する人が多いかもしれません。

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