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特集・コラム

SL列車だってSDGs…! 「SL大樹」でバイオ燃料の実証実験開始

2024.02.03

text & photo:RM
取材日:’24.1.31 場所:下今市機関区
取材協力:東武鉄道

 東武鉄道と東武商事では、2024年1月31日から「SL大樹」の燃料の一部を植物原料由来のバイオ燃料に置き換える実証実験を、国内で初めて開始しました。

▲蒸機の保火のため、バイオコークスを投入するところ。

【写真】バイオ燃料ってどういう形・色をしているの?

 この実験は、大きく分けてSL(蒸気機関車)に使用するバイオコークス燃料と、DL(ディーゼル機関車)に使用するバイオディーゼル燃料混合軽油、2つのお話となります。いずれもCO2排出量を削減し、持続可能な運転を…という狙いで実施するものです。

蒸機の場合
 蒸機の燃料は通常は石炭を使用し、CO2排出量がかなり多いとされています。そこでそれを植物由来のバイオコークスに置き換えることで、実質的なCO2排出量を抑えようというのが目的となります。ただし、実際に走行する際に必要な熱量(カロリー)がバイオコークスでは得られないため、「保火(ほか)作業」時に限って使用するという方針です。

 「保火」とは、蒸機が動いていない時にも維持している種火のような状態を示し、これなら石炭並みのカロリーは要求されないことから採用に至ったもの。今回使用するバイオコークスはそば殻100%が原料となっており、ゆくゆくは日光地区原産のそばに由来する「地産地消」を目指せれば…とのこと。また保火だけに使用とは言ってもその使用量はばかにならず、従来の石炭使用量(走行時と保火時を合わせたもの)の実に40%を置き換えることが可能とのことです。

 実証実験対象に選ばれたのはC11 325で、燃焼効率やボイラーへの影響など実用性を検証することになります。そしてこの実験期間中、ナンバープレートの地色を緑色として運行します。

DLの場合
 ディーゼル機関車の燃料は通常は軽油となっていますが、これに5%植物由来油を混入したバイオディーゼル燃料混合軽油「B5」という燃料を使用し、燃料全体の50%をこれに置き換えます。使用方法は従来の軽油と変わらず、タンクローリーから燃料タンクへ直接給油する方式です。

 実証実験対象に選ばれたのはDE10 1109で、この実験期間中、「今」の区名札の地色を緑色として運行します。

▲バイオディーゼル燃料混合軽油の給油シーン。

■運行コストについて
 環境に良いとされるバイオ燃料ですが、現時点では単純なコストとしては「かなり高い」…とのこと。今後他の分野でも活用が広がり、量産効果でコストが下がれば、環境にも良し、運行コストも低減、といいことずくめになるかもしれません。今後の実験の成り行きに注目したいと思います。

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