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【消えゆく名前】鉄道会社で続く再編 2025年までに消滅する会社は?

2024.01.25

▲箱根登山鉄道の旧型車モハ1形の103-107号。現在は引退済み。

‘19.7.5 箱根登山鉄道 大平台〜宮ノ下 P:武内 智
(鉄道投稿情報局より)

 ここ最近、鉄道会社の経営統合や、組織の再編に伴う名称の消滅が相次いでいます。レイル・ファンであっても、そうでなくても、やはり慣れ親しんだ名前が消えるということは寂しいものを感じます。今回は2025年までに消滅することが発表された鉄道会社を3つおさらいしてみましょう。

【写真】2025年までに消滅する鉄道会社の車両を写真で見る

■新京成電鉄

 新京成電鉄は、陸軍の鉄道連隊演習線をルーツに持つ松戸から京成津田沼までの、約26kmの道のりを走る「新京成線」を運営している鉄道会社です。名前にも「京成」と入るように、1946年の設立当初より、京成電鉄の子会社として存在していました。その後2022年には京成電鉄の完全子会社に、そして2025年4月1日には京成電鉄へ吸収合併される形で名称が消滅することが2023年10月に発表がなされました。

■泉北高速鉄道

 泉北高速鉄道は、元々第三セクターである大阪府都市開発株式会社として1965年に設立。1971年に泉北高速鉄道線が開業し、2014年には会社名も泉北高速鉄道株式会社に改め、南海電鉄の完全子会社となりました。南海とは開業当時より直通運転を行なっており、同社との関わりは元からあったと言えます。
 そんな中、こちらも2023年12月、南海電鉄との吸収合併が発表され、新京成電鉄と同じく名称が消滅することとなりました。

■箱根登山鉄道

 小田原から強羅までを結ぶ鉄道線やケーブルカー・ロープウェイを運営する箱根登山鉄道ですが、こちらもまた会社としての名称が消えることが2024年1月に発表されました。こちらは「登山鉄道」の名の通り、箱根の険しい山を超えていく路線で、普通鉄道としては日本一の急勾配を持つことでも有名です。現在は小田急グループの傘下に入っており、2003年には同社の完全子会社となりました。そして2024年4月1日より、箱根登山鉄道を存続会社として小田急箱根ホールディングス、箱根登山鉄道、箱根観光船、箱根施設開発の4社を合併し、新たに小田急電鉄の傘下に入る株式会社小田急箱根として発足することが発表されました。

■東西の「準大手」が「大手」に吸収

 新京成電鉄と泉北高速鉄道の例ですと、親会社による吸収合併という点で構図が似ていると言えます。また、どちらも親会社との相互直通運転をしていること、さらに新京成電鉄も泉北高速鉄道も日本に5社しかない「準大手私鉄」の括りの会社であることも共通しています。
 この2社が消滅することで関東からは名実ともに準大手私鉄に分類される鉄道会社がなくなり、残すは北大阪急行電鉄、山陽電気鉄道、神戸高速鉄道の関西圏を基盤に持つ3社のみが残ることになります。

■路線名や車両の塗装、運賃はどうなる?

 また、会社名を冠した路線名は、消滅した際にはどのような名称になるのかという話題は多く見受けられます。完全に同じ例とも言えませんが、かつて存在した第三セクターの千葉急行電鉄が破綻し、事業が京成電鉄に譲渡された際、「千葉急行線」だったものは「千原線」に名称変更されました。「大手私鉄の一路線」という立ち位置に変わる新京成線と泉北高速鉄道線は、この点にも注目が集まります。
 また、新京成電鉄では10年前となる2014年にピンクと白の新塗装に、泉北高速鉄道でも最新鋭の9300系を皮切りに、ライトブルー帯を廃し、ブルー帯のみとしたデザインに変更したばかりということで、塗装も変わるのか、それともそのままなのかというのは気になるところですが、2024年1月現在ではいずれも詳細発表はありません。
 一方、運賃に関しては新京成・泉北では計画が発表されています。新京成は現在のものを引き継ぎ、泉北では値下げする方向での運賃改定を検討しているとしています。

 なお箱根登山鉄道は組織再編の意味合いが強く、利用者目線からは大きく変わる点は多くないと思われますが、とはいえ100年近くあった会社名が無くなるというのは時代の流れを感じます。

■2025年が目安になる?

 新京成電鉄2025年4月1日、泉北高速鉄道は2025年度早期、箱根登山鉄道に至っては今年の4月に名称変更がなされる予定。すなわち遅くとも2025年度までにはこれらの会社は全て消滅することとなります。ここ直近でこうした合併・再編の話が立て続けに発表されたことで、今後も各地で同様の例が連続していくのか、今後も目が離せません。

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