‘11.4.23 奥羽本線 石川―大鰐温泉 P:沓澤良平
(鉄道投稿情報局より)
国鉄の分割民営化まもない頃から、近年までJR各社で見られた「スーパー」を名前に冠した特急列車たちですが、2010年代〜2020年代にかけて、急速にその姿を消していきました。そんな中、先日発表されたJR東日本のダイヤ改正情報で、特急「スーパーつがる」が新設されることが発表されました。
■従来列車との差別化によって生まれた「スーパー」
国鉄が分割民営化されJRが誕生した頃、各社では新型車を導入、または従来車を改造することでより速達性を上げたり、快適性や居住性を上げた特急型車両が続々とデビューしました。それらを従来の列車と明確に差別化する目的から、各地で「スーパー」を冠した名前が広まっていくことになります。JR九州の「スーパー有明」、JR西日本の「スーパー雷鳥」、JR東日本の「スーパーひたち」、JR北海道の「スーパー北斗」などが代表的なものでしょう。
また、JR東日本ではスーパーからさらに派生して「ビューさざなみ/わかしお」や、「スーパービュー踊り子」、「フレッシュひたち」など、JR東海では眺望の良さをアピールする「ワイドビュー」など、様々なカタカナワードを頭につけた列車名も登場しました。
■車両統一化の流れで消えゆく「スーパー」
このように、列車の違いを明確にするためにつけられた「スーパー」でしたが、車両の置き換えがひと段落し、車両が統一されると名称を分ける意味がそもそもとしてなくなってしまうばかりか、複数の名前が乱立するとかえって案内がややこしくなることもありました。そういった事情から、全国的に「スーパー」のほか、頭に愛称のつく列車名は消えていく傾向になっていきます。
現在「スーパー」を冠する列車名はJR西日本管内のキハ187系で運転される「スーパーいなば」「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」と、智頭急行HOT7000系で運行される「スーパーはくと」のみとなっていました。
■「つがる」でまさかの復活!?
そんな中、今回のダイヤ改正では特急「つがる」の一部が「スーパーつがる」に変更されるとJR東日本から発表がありました。JR東日本管内では2019年に「スーパーあずさ」が、2020年には「スーパビュー踊り子」が消えてから久々の「スーパー」を冠した列車名が復活することになります。
もちろんこの「スーパー」は無印の列車よりも速達性をアピールするもの。JR東日本の公式リリースによると、今回の「スーパーつがる」化によって停車駅を見直し、従来のダイヤより約10〜14分ほど短縮する見込みとなっています。
■「つがる」用E751系も元々「スーパー」だった?
E751系は2000年に登場した交流特急型電車です。デビュー当時は「スーパーはつかり」として、盛岡〜青森間を130km/h運転で駆け抜けており、従来の「はつかり」より速達性が高いことから「スーパー」が付けられていました。後に2002年12月に東北新幹線が八戸まで延伸開業すると特急「つがる」として八戸〜弘前・青森間を、2010年12月に新青森まで東北新幹線が全線開業すると、秋田〜青森間を奥羽本線で結ぶ現在の形の「つがる」になりました。
E751系としては、「スーパーはつかり」廃止以来約21年ぶりに「スーパー」を冠する特急の定期運用に返り咲くことになります。2021年にリバイバル「スーパーはつかり」として運転されたのも記憶に新しいE751系。これからの活躍にも期待したいところです。