185系

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プラレールの復刻版リニューアル!比べると分かるおもちゃ技術 進歩の凄さ!

2023.12.15

text & photo:なゆほ

 60年以上の歴史があるプラレールの製品・歴史・情報をまとめ、自身のホームページ「プラレール資料館」で公開しているプラレールコレクター なゆほさん の鉄ホビ連載!長い歴史を持つプラレールというおもちゃをコアな目線から語っていただきます!今回は国鉄からJRに民営化された初期に登場した651系と371系にクローズアップ!実車は登場時期は近けれど、そこまで接点がありませんが、プラレール的にはいずれも一度絶版になったのちにリニューアルされたものという共通項があります。(編集部)


 60年以上に亘って親しまれているプラレール。近年では技術の進歩により、昔は不可能だった造型や塗装表現も格段に向上しています。そんな技術の変遷を実感できるものに、リニューアル製品の存在があります。ただし、一口にリニューアルと言っても、そのやり方は車両によって大きく変わります。今回は「スーパーひたち」と「あさぎり」を例に、リニューアル前後の姿をご紹介します。

【写真】「スーパーひたち」と「あさぎり」に見るリニューアル品の進化の違い!

▲新旧「スーパーひたち」。

 1988年に、常磐線特急「スーパーひたち」用としてデビューした「タキシードボディのすごいヤツ」651系。プラレールでは1989年9月25日に発売されました。特徴的な先頭部形状や、側面の連続窓、上下に分かれたドア窓が再現されていますが、車体断面は側面が垂直に立っており、プラレールらしいデフォルメで作られているのが特徴的です。

 「フレッシュひたち」が発売されたことに伴い1998年に絶版となったため、2001年から2003年にかけて行われた製品リニューアルの対象になる事なくラインナップから姿を消していまいました。しかし、当時実車の方はまだ現役だった651系スーパーひたち。再販を望む声が多かったのかは定かではありませんが、2003年の鉄道フェスティバルにて会場のメーカーブースで復刻発売される事になりました。

▲側面へのJRマークの追加、連続窓の窓枠の塗装、床下の塗装表現のほか、屋根周りのディテールアップも重点的に行われている。

 ディテールアップが施されたスーパーひたちは、旧版では濃いグレーの一色塗りだった屋根を、運転台周りと車体肩、クーラー周辺で塗り分け、クーラーに至っては銀色に塗装。足回りにも床下表現の塗装が入り、実車の印象に更に近づきました。
 前面愛称表示器の周りも塗装され、スカートには連結廻りのディテールをデザインしたステッカーが貼られています。この仕様での発売が定着し、その後は「プラレール博」会場限定品の仲間入りを果たしています。

 製品リニューアルは新幹線の例が特に有名ですが、このように通常品ではないものも旧製品と比較すると大きく変わっている車両が他にも発売されており、他にも「寝台特急」「フレッシュひたち」などが該当します。

 対して、元の製品の時点で既に完成されており、復刻された際のディテールアップが最小限に留まった例もあります。それが「あさぎり」です。

▲新旧「あさぎり」。手前が復刻品、奥が旧製品だが、一見ほとんど違いがないように思える。

 1992年に発売された「あさぎり」は前面窓と中間車の窓をクリアパーツとした意欲作で、少ない色彩で見事に実車を表現しています。スーパーひたちと同じく1998年に絶版となりましたが、こちらは復活を望む声が多かったようで、2年後の2000年に「プラレールの日限定」の商品として復刻されています。通常品のリニューアル前の発売となった事も要因の一つと考えられますが、「あさぎり」のディテールアップは一点のみに留まっており、旧製品の時点で既に完成されていた事が窺える仕様となりました。
 その一点というのがパンタグラフの塗装。旧製品では車体色のままであったところを銀色に塗り分けてあります。中間車に至ってはほとんど同一で、塗料や成型色の濃淡の差はあれど、注意深く見ないと旧製品なのか復刻品なのか判断がつかないほどです。

▲「スーパーひたち」「あさぎり」の新旧並び。同じ型を使っていても、時代に合わせた変化を遂げるのがプラレールというおもちゃだ。

 旧製品にディテールアップを施して復刻する商品展開は2000年代初頭に最盛期を迎えました。約20年が経った現在では昔の製品が軒並み生産停止となっている上、車両自体の基本構造も変わってきた事で、以前のような復刻はあまり見られなくなってきました。
 ですが直近の例だと、2020年に絶版となった「165系東海型急行電車」が、2023年のプラレール博にて「165系東海形電車(湘南色)」として再登場しています。通常品時代のJR仕様に対して国鉄仕様での復活となった珍しい例で、大きな話題を呼びました。

 時代の流れにより、2000年代の製品の復刻も望まれるようになった2020年代。この二十数年の技術向上を反映した復刻品の発売というのは、いちファンとしてやはり期待してしまいます。

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