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古い地名からネーミングライツまで!?実は踏切にも「名前」がある!

2023.11.30

▲山手貨物線大崎〜恵比寿間に存在する「長者丸踏切」。付近には現在「長者丸」という地名は存在しないが…?

‘18.9.24 山手貨物線 大崎〜恵比寿 P:橋本理生
(今日の一枚より)

 普段何気なく通る踏切。安全上の観点から、現在では徐々にその数を減らしてはいるものの、今も全国に3万を超える数の踏切があります。そんな踏切たちにも実は一つひとつ名前が付けられています。

【写真】踏切の名前はどこに書いてある?写真はこちら!

■重要な「名前」

 当然ではありますが、踏切は重要な鉄道の設備・施設の一つです。道路と交わるという点においても、万が一何かトラブルがあった際にすぐにその発生現場がピンポイントで分かる必要があります。そのため、各踏切の緊急連絡看板には、連絡先のほか踏切名、場合によっては管理番号を伝えるように書かれていることも。安全対策などの観点からも、この「名前」は重要なものの一つになります。

■名前の付け方にも差が

 私鉄などでは近隣の駅名称や路線名称にプラスして◯(数字)号踏切と単純にナンバリングで示すものも多いですが、JRになると地名や交差する通りの名前にちなんだもののほか、中には名称の由来がわからなくなってしまっているものも。さらには「何でこんな名前に…」と言いたくなってしまうほどの珍名も全国に点在しています。例えばJR東海紀勢本線 一身田〜津間にある「そば屋踏切」。目の前にそば屋があるのだろうと思わせておいて、現在周囲にはそば屋はおろか建物すらないような場所にある変わった名前の踏切として、一部では有名なポイントです。

 また、踏切名称の一部には古くからの地名が残り続けているパターンも。例えば山手貨物線大崎〜恵比寿(山手線目黒〜恵比寿間)間に存在する「長者丸踏切」の場合、付近の現在の住所は「東京都品川区上大崎2丁目」ですが、かつてはここに「長者丸」という地名がありました。その地名が名称の由来となっているわけですが、全国にもこうして現在は消えてしまった地名を今に伝えている踏切も数多くあります。

■踏切の名前でイメージアップ

 2022年、小田急電鉄では新たな試みとして踏切名称のネーミングライツを期間限定で実施しました。ネーミングライツとは、よく野球場やスタジアムなどで見られる企業名、または製品名を施設名称に入れるもので、近年では鉄道駅などでも見る機会が増えてきました。そんな中で、小田急線の東海大学前駅に隣接する「東海大学前1号踏切」にて、2022年3月30日から9月30日までの期間、沿線自治体である秦野市が運営するYouTubeチャンネルの名前を冠した「はだのモーピク踏切」と名付けられました。

 どうしても一般的にはネガティブなイメージがつきまとってしまう踏切という施設に、実験的に行なわれたネーミングライツ。そもそも、小田急の踏切自体は最寄駅名と番号を振るナンバリング方式となっており、元々固有の名称があるわけではありませんでした。そのためこうした「愛称」に近いネーミングライツを採用し、踏切自体のイメージアップ、そして少しでも親しみを持ってもらおうという施策のもと行なわれました。

 実際名前の持つ効果というのは侮れないもの。意外と近所の踏切も、調べてみると面白い名前を持っているかもしれません。もちろん、訪れる際には安全には十分気をつけて楽しみたいものです。

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