‘18.7.7 山手線 東京―神田 P:呉浦良太
(今日の一枚より)
東京の中心を走る山手線。環状線であることや、路線カラーが緑色であることはもはや言うまでもないですが、山手線はいつ頃から「緑色」になったのでしょうか?
↓緑色の山手線歴代車両はこちら↓
■初めて緑色を採用したのは103系
▲奈良線で活躍していた頃の103系。山手線とは色以外関係ないように思われるが、実はこの、NS407(左)編成と、NS409(右)編成の両先頭車は、新製冷房車として落成し、わずかな期間ながら山手線で運行されていた車両。
‘19.2.18 奈良線 京都 P:笹田昌宏
(鉄道投稿情報局より)
今からちょうど60年前となる1963(昭和38)年、緑色(黄緑6号・うぐいす色とも)を塗色に採用した103系電車が山手線に登場したのが、路線カラーが緑色となるきっかけになりました。それ以前の通勤型、いわゆる「旧型国電」と称されるような古い電車たちは茶色1色なのが一般的でしたが、戦後それまでの電車の駆動方式を刷新した「新性能電車」として、101系電車がオレンジ色を纏い中央線に登場。以降は路線ごとに車両へ色が付くようになります。山手線でデビューを飾った103系は、この101系で判明した課題点を改良した車両でした。
■実は黄色かった時期も
▲一時期カナリアイエローを纏った101系が山手線を走っていたこともある。写真は秩父鉄道に譲渡され「1000系」となったたのち、カナリアイエローに復刻された時の姿。
‘09.7.30 秩父鉄道秩父本線 持田―熊谷 P:羽鳥達也
(鉄道投稿情報局より)
新性能電車として登場した101系ですが、実は1961(昭和36)年に山手線にも投入されました。この時のカラーリングはカナリアイエローで、1963年には101系に統一。一時期山手線は、全車が黄色だった時期があったのです。ですが、先述の通り、101系の改良版である緑色の103系が1964年より本格投入され、1969(昭和44)年に統一されました。なお、黄色い101系はその後中央・総武緩行線へ色はそのままに転出し、活躍を続けました。
■現代も受け継がれる緑色
山手線に投入された103系は、その後マイナーチェンジを続けながら各地域で増備が繰り返されてきましたが、国鉄末期の1985(昭和60)年、軽量ステンレス車体を採用した205系が山手線に投入。103系の置き換えを開始しますが、205系では帯色として緑色を踏襲。以降のE231系やE235系といった車両にも緑色の帯が入るようになります。これは山手線だけではなく、中央線のオレンジや中央・総武緩行線の黄色、京浜東北線の水色に常磐線のエメラルドグリーンなど、車体カラーが帯色となり、今も首都圏各路線の「ラインカラー」として受け継がれています。
また、山手線が緑色となってから50年が経った2013(平成25)年には記念としてE231系1編成に「みどりの山手線」ラッピングが施され、話題になりました。早いものであれから10年、いわば還暦を迎えた緑色の山手線ですが、これからも末長くお馴染みの色として受け継がれていって欲しいものです。