‘23.10.15 山陽本線 大畠〜神代 P:川崎太雅
(今日の一枚より)
JR西日本の「懐鉄(ナツテツ)」シリーズの一環として、115系3000番代が瀬戸内色にリバイバルされることとなり、つい先日より運行を開始し話題となっています。
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そもそも、このクリーム色1号に青20号帯の通称「瀬戸内色」と言われる塗装は、1982年に投入開始されたこの115系3000番代から始まったカラーリングです。当初は山陽本線の広島近郊の輸送力改善のため、編成両数を減らしつつも高頻度運転とした「ひろしまシティ電車」の導入を象徴する、新しい塗装として受け入れられました。ですがその後、瀬戸内色は115系3000番代以外にも広がっていくことになります。
■115系の瀬戸内色
▲最後まで瀬戸内色を維持していたのはこの115系C-41編成。2015年にこの編成が廃車となったことで、瀬戸内色は全滅となった。
‘14.10.2 山陽本線 広島 P:上石知足
115系3000番代から始まったこの瀬戸内色ですが、その後広島地区の近郊型電車で広く使用されるようになります。115系に関しては、3000番代ではないセミクロス3ドアの一般的な115系たちにも普及していきました。ですが、オリジナルの115系3000番代に関してはJR化後にライトグレーをベースに、窓廻りにダークグレーと青のグラデーション帯と赤帯という、通称「広島快速色」に塗り替えられ、2ドアの115系瀬戸内色は早々に消滅しました。
■113系の瀬戸内色
‘10.12.30 山陽本線 広島 P:上石知足
広島地区では115系だけではなく、113系も運用されており、こちらもまた同様に瀬戸内色に塗装されていました。写真のF編成は関西からの転属組で、関西で活躍していた当時は高速化改造車として番号も改められていましたが、広島地区への転用に際して解除され、原番復帰しました。また、「先頭車は113系、中間車は115系」というような混結編成が見られたのもこの地区の魅力の一つでした。
■103系の瀬戸内色
▲戸袋窓が残った最後の103系であった広B-09編成。例に漏れず瀬戸内色を纏っていたが、2011年1月に廃車。
‘10.12.30 山陽本線 広島 P:上石知足
近郊型から始まった塗装ではありましたが、90年代初頭に103系が広島地区へ転入してくると、これにも瀬戸内色が施されました。こうした流れからも分かるように、一時はこの瀬戸内色が広島地区の標準カラーのような扱いとなっていました。
こうして広島や山口ではすっかりお馴染みのカラーリングとなった瀬戸内色でしたが、延命改造により更新色へ変更された編成や、2010年頃より開始された黄色単色の「地域色」化、さらには廃車が進行したことなどにより、瀬戸内色はその数を減らし、2015年には一旦消滅。さらには新型車両である227系の導入で、国鉄型車両自体が広島地区から姿を消していくことになりました。
そんな中、今も岩国〜下関間のローカル輸送でしぶとく活躍を続けている115系3000番代が瀬戸内色にリバイバル。約8年ぶりに山陽にクリーム色と青帯のツートンカラーが帰ってきました。皆さんはこのカラーリングを見て、どの車両・どの編成を思い出しましたか?
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