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阪急2000系列もいよいよ「二代目」へ 初代2000系が今も現役ってホント?

2023.10.07

‘22.11.3 能勢電鉄妙見線 鴬の森~滝山 P:大庭裕和
(鉄道投稿情報局より)

 先日阪急電鉄より発表された京都線用の新型「2300系」と、神戸・宝塚線用の新型「2000系」ですが、阪急が車両のフルモデルチェンジを行なうのは2013年に登場した1000系以来のことになります。さて、阪急の2000・2300系はこれで2代目となります。では初代2000・2300系とはどのような車両だったのでしょうか。

■阪急初代2000系列の功績

 初代となる阪急2000系と京都線用の2300系は、1960(昭和35)年にデビューしました。この2000系列ではマルーンやオリーブ色のシートなどの阪急らしい伝統は守りつつ、3ドア車体に美しいアルミサッシ窓という、その後に続くスタイルを確立し、多少変化はあったものの、この基本デザインは長年受け継がれていくことになりました。また、性能面でも回生制動と定速運転制御という、当時としては革新的な機能を持っていたことから、「人工頭脳電車」「オートカー」とも称され、親しまれていました。

 その後京都線特急のサービス向上のために投入された2ドアスタイルが美しい2800系(後に3ドアへ改造)や、宝塚線用に性能を調整した2100系、神宝線用600・1500V複電圧仕様の2021・2071系など、派生系式も続々登場し、長らく阪急を代表する車両として活躍を続けました。

 そんな2000系列の活躍は長く、神宝線系統の2000系列は編成としては1992年に消滅しましたが、以降も3000・5000系列の中間車として細々と活躍を続け、2014年まで残り続けました。
 京都線系統では2800系が2001年までに消滅してしまいましたが、2300系が近年までしぶとく生き残っていました。そんな2300系も寄る年波には勝てず、当時最新鋭であった1300系に置き換えられる形で2015年3月に引退しました。現在、2300系は正雀工場にて、2301と2352の2両が今も保存されています。

■2000系が2代目となって復活!懐かしい形式も

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 そんな2000系ですが、この度阪急10年ぶりの新型車両としてその番号が復活することとなりました。阪急の伝統であるマルーンの車体、オリーブ色のシートモケット、木目調の化粧板は健在で、しっかりと文化が受け継がれています。また、京都線用となる2300系は特急用車両としての位置付けになっており、セミクロスシートを装備した上で、大阪方から4両目は座席指定サービス車となりました。なお神宝線用2000系はロングシート車となります。
 編成は4M4T、2300系はハイブリッドSiCを採用したIGBT VVVF、2000系はフルSiCのMOSFET VVVFと、制御装置にも違いがあり、どのような走行音の違いが現れるのかも気になるポイントです。

 また、車両の形式を見てみると大阪寄り2両目が2800形、6両目が2850形となり、往年の京都線特急用車両である2800系を思い起こさせる形式を持っている点も見逃せません。

■2000系列の現在

▲現在能勢電鉄1700系のうち、1757×4Rは「能勢電鉄開業110周年記念号」としてヘッドマークが2枚掲げられており、11月23日までの取り付けが予定されている。

‘23.04.14 平野 P:東條ともてつ

 ついに2代目が現れた阪急2000系。先述の通り、阪急線内では完全に引退した2000系列ですが、宝塚線の川西能勢口に直結し、日生中央や妙見口方面へ向かう私鉄「能勢電鉄」では、阪急より譲渡された2000系を種車とする1700系が、今も現役で走っています。行先表示幕の設置が導入時に行なわれているほか、後年に前照灯のLED化やスカートの設置などで元々の2000系とは多少見た目が変わっていますが、現在では阪急時代と同じマルーン1色を纏い、車両の形も大きくは変わっていません。

 現在では4両2本、1755×4Rと1757×4Rが活躍中。車齢はいずれの車両も60年を超えており、正真正銘の大ベテランとなっています。昨年1754×4Rと1756×4Rが引退し、残る2本の動向が注目されていますが、果たして川西能勢口駅で新旧の2000系が顔を合わせることは実現するのか、今から気になりますね。

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