‘22.02.27 小田急電鉄 小田原線 伊勢原~鶴巻温泉 P:三田村 裕
(今日の一枚より)
2023年9月24日、ついに小田急ロマンスカー 50000形「VSE」のうち50002編成が営業運転から引退しました。2005年に登場して以来長らく小田急を代表する車両でしたが、2022年3月に定期運用から撤退。以降はイベント列車などで使用されてきましたが、それももうすぐ終わりを迎えます。
↓小田急ロマンスカー VSEの名シーンを捉えた投稿写真はこちら!↓
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■2005年に登場 「ロマンスカー」の広告塔へ
1987年に登場した10000形「HiSE」や、1991年に登場した20000形「RSE」などが長らく小田急ロマンスカーのイメージリーダーでしたが、2005年、新たなロマンスカーのフラッグシップとして登場したのが50000形「VSE」でした。「VSE」とは「Vault Super Express(ヴォールト・スーパー・エクスプレス)」の略で、「Vault」とは英語でドーム型の天井や空間を意味します。その名の通りドーム型の天井や連続窓などによって、開放的な室内空間を作り出していました。
さらに新機軸として、曲線通過時、最大2度傾けることが可能な車体傾斜装置を搭載したほか、建築デザイナーである「岡部憲明アーキテクチャーネットワーク」が担当した車両デザインは、白を基調とした斬新なものに。一方、展望席や連接台車、代々受け継がれるオレンジバーミリオンの帯など、ロマンスカーの伝統と言われるものもしっかりと取り入れており、長らくロマンスカーの顔として活躍を続けていました。
■2018年「GSE」登場もしばらくは「2つの顔」の体制に
▲「GSE」と「VSE」がすれ違う上を、御殿場線が過ぎ去る。
‘20.11.06 小田急電鉄 小田原線 新松田~渋沢 P:沖浦猛志
(今日の一枚より)
2018年には70000形「GSE」が登場します。展望席を備えたロマンスカーとしながらも、連接台車ではなくボギー台車の採用となったのが話題となりました。このGSEによって、1980年に登場した7000形「LSE」を置き換え、ここからしばらくロマンスカーはVSEとGSEの「2つの顔」体制となりました。
■2022年定期運用終了 そして完全引退へ
そんなVSEでしたが、登場後15年程度が経過し、車両更新の時期が迫っていました。ですが、アルミダブルスキン構造の車体や車体傾斜装置、さらには操舵制御付きの連接台車という特殊な装備を持っているがゆえに、更新が困難と判断され引退が決定。ラストランを前に記念装飾も施され、2022年3月を以って定期運用から引退。以降はイベント列車用として2023年秋頃まで残ることとなりました。
引退発表時点で登場からまだ17年程度しか経っておらず、ロマンスカー単体だけではなく、鉄道車両全体として見ても短命な部類になりますが、その理由にはこうした更新工事が難しいという背景があったのです。
▲撮影日の9月24日で引退した左側の50002編成。最後は50001編成と肩を並べた。
‘23.09.24 小田急電鉄 海老名電車基地 P:福井幸治
(今日の一枚より)
定期運用の引退から今までの1年半ほどは先述の通り、イベント列車や団体列車などで活躍を続けていましたが、在籍した2本のうちの1本である「50002編成」2023年9月24日にラストラン。最後はトップナンバーである「50001編成」と本線上で並走、追い抜きが行なわれたほか、海老名車両基地にてツアー参加者限定の並び撮影会が開催され、有終の美を飾りました。
残る50001編成についても2023年12月での運行終了が予告されており、VSEの活躍もあとわずかとなってきました。現在、小田急ロマンスカーで最後の連接車となるVSEの活躍に注目が集まります。
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