日本では鉄道模型の代名詞ともなっている「Nゲージ」という規格。子供時代に始めた思い出がある方から、今もその道を追求し続けるモデラーの方まで、さまざまいると思いますが、改めて「Nゲージ」という鉄道模型とはどういったものなのでしょうか?
Q.そもそも「Nゲージ」とは何ですか?
A. Nゲージとは、数ある鉄道模型の規格の一つであり、線路幅(ゲージ)が9mmのものを指します。もともとは欧米で軌間1435mmの車両をスケール1:160、ゲージ9mmで模型化したものが始まりで、9を表す英語の「Nine」、ドイツ語の「Neun」の頭文字を取って「Nゲージ」と呼ばれるようになりました。これらは世界統一された規格なため、国内外のメーカー問わずにどの車両でも同じ線路を走行可能です。なお、日本の私鉄・在来線車両のスケールは1:150、新幹線は1:160となります。
Q.Nゲージはどこで売ってる?
A. 鉄道模型専門店を訪ねてみるのがまず一番無難と言えます。というのも、専門店には知識豊富な店主やスタッフがいますので、初心者の心強い味方になってくれるでしょう。また、近年では家電量販店などでも取り扱いがある上に、ネット通販ももちろんできます。慣れてきたらこれらを活用するという手もあるでしょう。
Q.Nゲージはどうやって動くの?まさか電池?
▲Nゲージを操作するコントローラー。写真のTOMIX製は「パワーユニット」と呼ばれる。
写真:羽田 洋
A. Nゲージ鉄道模型は電気で動きますが、電池ではなく、2本のレールを流れる電気を車輪で集電し、それによりモーターが回って走行します。レールには「フィーダー」と呼ばれるケーブルを使い、専用の電源装置(コントローラー)から電気が供給されます。なお電源は一般家庭にあるコンセントでOKです。
そのため、走行中は進行方向右側がプラス、左側がマイナスの直流、電圧は最大12Vの電気が流れています。電流自体微弱なのでビリッとくるということはありませんが、液体や金属を置くとショートして電源や車両が壊れる原因になりますので気をつけましょう。
Q.Nゲージのメーカーはいくつかあるの?
A. Nゲージを製造しているメーカーは国内だけでも数多く存在します。その中でも完成品を手がけるメジャーなメーカーとしては、日本におけるNゲージ業界のパイオニアである「KATO(関水金属)」、車両だけでなくレールシステムやアクセサリーも充実する老舗メーカー「TOMIX(トミーテック)」、マニアックな車種も製品で網羅する「マイクロエース」、GMの略称で親しまれ、組み立て式キット製品も豊富な「グリーンマックス」、鉄道模型ショップを各地に構え、近年盛り上がりを見せる「ポポンデッタ」などが挙げられます。
Q.Nゲージを始めるのにおすすめは?
写真:羽田 洋
A. 鉄道模型には「入門セット」というレール・車両・コントローラーなど、走行に必要なモノが一通り揃ったオールインワンセットから始めるのが一般的でしょう。Nゲージでは、先に述べたメーカーであれば「KATO」と「TOMIX」から道床(土台)付きのシステムレールが発売されています。互いのメーカーのレールを繋げることはできませんが、車両については違うメーカーのレールの上でもNゲージ規格であれば走らせることができます。
そのため、「車両は各社OK・レールは1社で統一」とすると良いでしょう。そのため、始める前にある程度真剣に考えてレールのメーカーは選ぶ必要があると言えます。それぞれのメーカーごとに特徴が違いますので、これらも実際に見に行ってみたり、お店のスタッフに聞くなどして決めると良いでしょう。
昔とは異なり、近年では「スターターセットから始めなくてならない」ということもなく、各社から出されているレールセットや好みの車両を組み合わせて始めるということもできるようになりました。ぜひ、自分に合ったプランでNゲージを初めてみてはいかがでしょうか。
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