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特集・コラム

東京の電車たちの同窓会!?懐かしの車両が集まる長野県の私鉄とは?

2023.08.25

text & photo(特記以外):鉄道ホビダス編集部

 東京メトロ03系、東急8500系、小田急10000形「HiSE」、JR東日本253系「成田エクスプレス」… 一見交わりのない車両たちに思えますが、彼らは今「同僚」となって現役で活躍しています。今回は東京で馴染みのある顔ぶれが揃う長野の私鉄「長野電鉄」について触れていきます。

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■まるで東京の電車の同窓会!懐かしい車両たち

▲東急時代の面影が非常によく残る8500系。半蔵門線や東武スカイツリーライン(伊勢崎線)でお世話になった方も多いのではないだろうか。

 現在長野電鉄で活躍するのは、各駅停車用が元東京メトロ03系である3000系、元東急8500系である8500系。特急用が元小田急ロマンスカー10000形「HiSE」の1000系「ゆけむり」と、元JR東日本253系「成田エクスプレス」だった2100系「スノーモンキー」です。

 いずれの車両も首都圏にゆかりのある車両たちです。もちろん長野電鉄で活躍するにあたり、短編成化改造等は加えられていますが、それでも姿を大きく変えることなく今も活躍中です。とりわけ8500系に関しては系式も8500系のまま、帯色も東急時代の赤帯で、デハ8501・8502・8503については東急時代の車番と同一の番号となっています。
 また、元03系の3000系と8500系は首都圏で活躍していた当時、東武スカイツリーライン(伊勢崎線)で顔を合わせていた車両同士ということもあり、沿線にゆかりがある方からしたら、見覚えのある光景が長野県で日常的に繰り広げられていることになります。

■名車と名高いかつての自社発注車

 現在では全て他社からの譲渡車両で運行されている長野電鉄ですが、かつては自社発注車を製造・運行していました。特に有名なのが日本車輌で製造された2000系と0系・10系「OSカー」です。

 2000系は、1957年に登場し、長らく長野電鉄のフラッグシップとして活躍しましたが、2100系「スノーモンキー」運行開始で活躍の場が狭まり、2012年の屋代線廃止時の最終列車に充当され、同時に引退しました。現在では最後まで残っていたD編成が小布施駅に隣接する「ながでん電車の広場」と書かれた建屋内に保存されています。

 0系「OSカー」は1966年に登場した20m級4ドアの通勤型電車で、そのデザインの秀逸さから1967年のローレル賞に輝きました。その後長野〜善光寺下までが地下化された際、当時の地下鉄基準に合致した車両が新たに必要となったことから10系「新OSカー」が1980年に登場。0系と異なり非貫通であることや、4ドアが3ドアになったことなど、変更点が多く、10系と系式を分けられました。0系は1996年に、10系は2003年に引退し、いずれも一時保管されていたものの、解体されて残念ながら現存しません。

■ついに運用を終えた「マッコウクジラ」

▲引退目前の3500系。最終編成はN8編成だった。

‘23.1.13 長野電鉄本線 信濃竹原~夜間瀬 P:加藤 潤
(今日の一枚より)

 2023年1月、長らく活躍していた3500系がついに引退となりました。この車両は元は営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線で活躍していた3000系で、「マッコウクジラ」の愛称で親しまれていた車両です。長野電鉄では1993年より運行を開始しました。
 この車両を置き換えたのは同じく日比谷線を古巣とする元03系の3000系で、営団時代に繰り広げられた置き換え劇が、長野の地で再現されたということで話題に。落成から60年近く、長野電鉄でも30年近い活躍を続けた3500系でしたが、先述の通り、2023年に惜しまれつつ引退しました。

 長野電鉄は地方私鉄では珍しく長野〜善光寺下間が地下ということで、地下鉄出身、あるいは地下鉄に縁のある車両たちが多い長野電鉄では、この地下区間を走る姿を収めようとするレイル・ファンも多く見られます。

 首都圏に何かと縁のある車両たちが今もなお元気に活躍する長野電鉄。タイムスリップした気持ちになって、彼らに会いに行ってみるのも良いでしょう。

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