text:鉄道ホビダス編集部
▲出場回送時、運転台窓上部のJNRマーク部分はテープで隠されていた。
‘23.8.1 鹿児島本線 赤間 P:大石直輝
(鉄道投稿情報局より)
先日、JR九州は筑肥線の電化40周年と、福吉駅~浜崎駅開業100周年を記念して、現在運行されている103系1500番代3両1編成を登場時のカラーリングに復刻することを発表しました。この復刻カラー編成は2023年8月2日に出場し、8日から営業運転を開始しています。
そんな103系1500番代ですが、見た目は103系というより同時期に登場した105系や201系などに似ています。
■1982年に登場した103系
1983年に実施された筑肥線 唐津〜姪浜間電化と福岡市営地下鉄1号線(空港線)との相互直通運転に合わせて、1982年に登場したのがこの103系1500番代です。同時期に電気子チョッパ制御の201系や203系が登場していた中で、従来通りの103系の投入となった理由として、関東・関西の都市圏と比べて列車密度が低い区間がある上に駅間距離も長く、長所である回生ブレーキの効果があまり期待できなかったことが挙げられます。また、103系は201系や203系と比べて導入コストが低く、当時財政的に厳しかった国鉄の事情もあり、103系の継続投入となりました。
■103系じゃないような103系
‘17.1.27 筑肥線 鹿家―福吉 P:八島雅希
(鉄道投稿情報局より)
とはいえ、外観に関しては201系の車体を基本としており、それまでの103系とは一線を画す近代的なものとなりました。まず前面形状は、同様に地下鉄直通仕様の103系である1000番代や1200番代のものとは大きく異なり、105系や後に登場する119系などに似たものとしました。また、103系としては唯一新製時から戸袋窓が省略されており、扉窓も201系と同様の寸法に。屋根のRも201系に準じたものとなり、車体的には従来の103系とは全く異なるものになっています。
■しぶとく残る九州の103系
23.07.30 筑肥線 大入〜筑前深江 P:堀江 亮
(今日の一枚より)
2023年3月、現役最後の0番代であった和田岬線103系が引退したのは記憶に新しいかと思います。平成時代でも103系天国が続いていたJR西日本でもいよいよ終焉の時が近づいていますが、JR九州でも同様に新型車両の305系への置き換えが2014年より開始され、2015年3月には地下鉄乗り入れを終了しました。
とはいえ、6両の地下鉄への乗り入れ運用が終了したのみで、現在でも3両編成5本が筑前前原~西唐津間で活躍を続けています。そして2023年8月、そのうちの1本であるE12編成(クモハ103-1512/モハ102-1512/クハ103-1512)が登場当時の玄界灘をイメージした青22号と、南国の砂浜をイメージしたクリーム1号帯のカラーリングに復刻されました。ちなみに、色だけではなく前面右上にはJNRマークも復刻されていますが、クモハ103形に関してはJR化後に誕生した形式のため、こちらとJNRマークの組み合わせは初めてだったりします。
国鉄時代に大量製造された103系ですが、完全に姿を消してしまうその前に、記憶と記録に残しておきたいですね。