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特集・コラム

【西武山口線の再来!?】KATO新工場に併設される「関水本線」の全貌は?

2023.07.23

 65年以上に亘り鉄道模型の製造・販売を続けている株式会社関水金属 (ブランド名:KATO) は、関越自動車道路と圏央道が交差する鶴ヶ島ジャンクション近くに、3.25ヘクタールにもなる鶴ヶ丘新工場(SEKISUI WORKS)および関連施設を建設中です。

■鶴ヶ島の新工場に「鉄道」が誕生

 工場敷地内の緑地を隣接する鶴ヶ丘児童公園も含め「イングリッシュ・ナチュラル・ガーデン」として一体的に再整備し、新工場の外側からも安全に見学できるよう構想中とのこと。

 この新工場・倉庫の外周および「イングリッシュ・ナチュラル・ガーデン」には、軌間762mmと610mmの2種の軌道が敷設された三線軌条(デュアルゲージ)のナローゲージ保存鉄道「KATO Railway Park・関水本線」が、懐かしくも日本で一番新しいナローゲージとして誕生予定です。 線路は新工場を周るエンドレスで、1周約620mの非電化の単線鉄道となり、機関庫を併設した駅が1つ設けられます。また、新工場に隣接するようにナローゲージ展示室が設けられ、様々なナローゲージ車両が保存展示されます。

■気になる車両は?懐かしい西武山口線「おとぎ電車」の姿も!

 「KATO Railway Park・関水本線」で活躍するナローゲージの車両は、国内外各地からやって来た古豪から、新たに作られる車両たちによって展示・運行されます。

  • 元台湾糖業公司 ベルギー製蒸気機関車362号機/酒井工作所製7tディーゼル機関車 DL3・No.143号機(軌間:762mm)

(画像:関水金属)

 まず、1948(昭和23)に製造された元台湾糖業公司のベルギー製蒸気機関車362号機は、1986(昭和61)年に日本に渡り、長野県で活躍しました。今回の運転に際して大改修が行なわれ、外観も含めてリニューアル。愛称も新たに「OLIVER (オリバー)」号として再起いたします。また、同じく元関東特殊鋼(カントク)の酒井工作所製7tディーゼル機関車 DL3・No.143号機も再整備し、新たに「BILLY(ビリー)」号となりました。ほかの客車たちも再整備によって生まれ変わった姿となり、機関車たちと共に活躍する予定です。  

  • 蒸気機関車532号/木造客車34号/蓄電池機関車/遊覧客車(軌間:762mm)

▲ホハ10(元西武山口線33号車)(画像:関水金属Webサイトより)

 一方、地元埼玉県になじみ深い車両として、元西武鉄道初代山口線で狭山・多摩湖畔を走っていた蒸気機関車532号と木造客車34号、同路線でユニークな外観で人気のあった蓄電池機関車と遊覧客車(通称:おとぎ電車)を全国各地から再集結させて整備、特に蓄電池機関車は動態保存として実際に走らせる予定です。埼玉県所沢市に、1950(昭和25)年から、1984(昭和59)年まであったナローゲージ鉄道「西武鉄道初代山口線」に乗車されたことがある方々にとっては、なおのこと懐かしく感じられる車両です。

  • 新製蒸気機関車「OSCAR(オスカー) 」号(軌間:610mm)

(画像:関水金属)

 さらに軌間610mmでは、英国の2軸タンク機関車からインスピレーションを受けた可愛らしい新製蒸気機関車「OSCAR(オスカー) 」号が、羅須地人鉄道協会のTiny Engineeringという工場の匠によって作られています。なお、この製作中の「OSCAR」号は、8月4日(金)~6日(日)に新宿住友ビル三角広場で開催する「鉄道模型コンテスト2023全国大会」会場にて静態展示される予定です。

■おわりに

(画像:関水金属)

 この鶴ヶ丘新工場(SEKISUI WORKS)の「KATO Railway Park・関水本線」は、2024(令和6)年度中の完成を予定していますが、一般公開や、車両の運行については鶴ヶ島市と関水金属が連携して運用される予定としています。また、鶴ヶ丘児童公園(KATO Railway Park)自体はは常時入園可能ですが、関水本線の機関庫、車両は安全が確保される場合のみ公開となり、通常は非公開となります。

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