185系

特集・コラム

【なんだこれ】見慣れぬ列車 実は鉄道に欠かせないモノを運んでいた!?

2023.07.12

text:鉄道ホビダス編集部

‘23.7.9 東海道本線 菊川〜掛川 P:大谷真弘
(鉄道投稿情報局より)

 突然ですが、上の写真のような列車を見たことがあるでしょうか?普段見慣れない車両かと思いますが、少なくとも人を運ぶためのものではなさそうです。一体何を運んでいるのでしょうか?

↓レール輸送車の写真はこちら↓

■鉄道のレールを運ぶ車両たち

 鉄道車両が走る上で重要な「レール」ですが、そのレールそのものを運ぶのがこういった車両になります。短いものでも25mほど、長いものだと200mを超すようなものもある鉄道のレールは自動車や航空機などで運ぶことはもちろんできません。これらは専用車両の荷台に固定して目的地まで運搬します。そして終電後の深夜、限られた時間の中で古くなったレールを新しいものへと交換します。
 100mや200m以上ある「長尺レール」や「ロングレール」と言われる長いレールも、専用の運搬車両で運びます。積載したレールを曲げながらカーブを通過するシーンは圧巻です。

■機関車牽引の列車はレイル・ファンからも注目の的

‘20.8.31 信越本線 長岡 P:鷲澤拓弥
(鉄道投稿情報局より)

 近年客車列車が減少したことにより、旅客鉄道各社の機関車は定期運用を失うことが増えてきました。そんな機関車が活躍する数少ない列車の一つに、レール輸送やバラスト散布といった「工事臨時列車」、通称「工臨」と言われるものがあります。
 基本的にレールの輸送はJR貨物などではなく、各鉄道会社が行ないます。そのため旅客列車を牽引するような機関車が登板することが多く見られました。ただし、機関車牽引列車は折り返し運転などで進行方向が変わる際、その都度機関車の位置を変える必要があったり(機回し)するなど、あまり合理的ではないとも言えます。そんな中で近年ではレール輸送専用ディーゼルカーに置き換えられる事例も見られ、こうした機関車牽引のレール輸送列車が過去のものとなった地域もあります。

■ディーゼルカーのレール輸送車

’20.11.9 小海線 野辺山 P:浅川大樹
(鉄道投稿情報局より)

 先述の通り、近年では機関車列車ではなく、ディーゼルカーによるレール輸送を行なう会社も存在します。JR東海のキヤ97系、そしてほぼ同型車となるJR東日本のキヤE195系などが挙げられます。

 この2系式ですが、定尺レール輸送用と、ロングレール輸送用とで分けられます。このロングレール輸送用の番代は、レールを前方から積み下ろしするため、前面下部にレールを通せるようになっており、少し風変わりな見た目をしてます。それにより運転室を高い位置に置きつつ、車両限界に当たらないよう屋根形状が丸みを帯びているのもまた特徴的な外観になっています。

 鉄道を走らせる要の一つであるレール。日々の安全運行を維持するために、こうした列車や作業に関わる人々は欠かせない存在です。

↓レール輸送車の写真はこちら↓

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