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「忘れた傘はどこへ行く?」梅雨時期に増える忘れ物について鉄道会社に聞いてみた!

2023.07.08

 座席の端に立てかけられていたり、手すりにかかっていたり。しかし持ち主らしき人は見当たらない…。

 電車の車内でそんな傘を見かけた経験は、誰もが一度はお持ちではないでしょうか。また、ご自身で車内に忘れてしまったことがあるという方もいるかもしれません。

つい立てかけておきたくなるドア横の手すり。ホームに降りてドアが閉まった時に気づいても…。

 雨が降り続いている日はともかく、ここのところのゲリラ豪雨は一時で過ぎ去ることも多く、降車の際には晴れていて、ついつい忘れてしまうこともあるでしょう。

 梅雨が明けても、夏の夕立や台風など、雨が多い日本において、「傘の忘れ物」は避けては通れない課題です。そこで、西武鉄道さんに現状を聞いてみました。

・年間にどのくらいの忘れ物があり、そのうち傘はどの程度ですか?
2022年度の実績になりますが、弊社の管轄内だけで約32万件の落とし物がございます。その中で傘が占める割合は1~2割程度です。

・特に増える時期はいつですか?
やはり梅雨時は傘の忘れ物が増える時期と言えますね。

・届けられた忘れ物はどうなるのですか?
届けられた駅にて3日間保管後、一部の駅に集約し、拾得日から6~7日後に警察へ提出しております。

・忘れ物に気づいたらどうすればいいですか?
最寄りの駅係員にお尋ねいただくか、お客さまセンターにお問い合わせいただければと思います。その際は「忘れ物をした日・時間」「場所(駅構内または電車内など)」「忘れ物の特徴(形や色など)」をできるだけ詳しく教えていただけると、発見に至るまでの時間を短縮できるほか、発見の可能性を高めることもできるかと思います。

 また、引き取りの際には、本人確認ができる公的証明書等(運転免許証、旅券、社員証(写真付)など)や、引き取り本人の印鑑(自署(サイン)に代えることもできる)、代理人が受け取る場合は上記に加え、「委任状」と委任者および代理人の公的証明書等(委任者の公的証明書のみコピー可)が必要とのこと。

 なお、今回紹介したのは西武鉄道さんのルールであり、鉄道会社によって詳細は異なることがあるのでご注意いただくとともに、事前に各社HPで対応方法などを確認しておくといいでしょう。

直通運転が増えている昨今、思いのほか遠くまで引き取りに行く事態になることもあるかもしれない。

 最近では直通運転をしている列車も増え、思わぬ遠方で忘れ物が発見される事例も増えていると想像できます。その場合は取得された会社に問い合わせる必要が出てくるでしょうし、引き取りの手間も余計にかかってしまいます。

 当たり前のことですが、やはり「乗降前後にちょっとだけ気を付ける」ということが、忘れ物を防ぐ最も有効な方法です。この記事をお読みいただいた方は、大切な愛用品が手から離れていないかを改めてご確認いただければと思います。

◆西武鉄道HP「お忘れ物について」はこちら

 

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