text & photo:鉄道ホビダス編集部
鉄道にも運転する上で必要な情報を示す信号機というものが当然ながら存在します。自動車のものと同じく「青・黄・赤」で表現された信号機が主に使われますが、同じ色や異なる色が2灯同時に光っていたり、4灯式、5灯式といった数の多いものなど、その様子は少々異なるようです。
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■示す色で変わる運転速度
▲一般的な5灯式信号機の現示一例。
通常使われる鉄道用の信号は、自動車用のそれとは似ているようでいて、多少意味合いが違う上に種類も多いのが特徴です。
赤が「停止」であることには変わりありませんが、そこから黄2つの「警戒」、黄1つの「注意」、黄と青の「減速」、そして青の「進行」、さらに一部路線限定にはなりますが、青2つの「高速進行」と6種類もあります。
それぞれ意味としては、「警戒」は次の信号が停止、「注意」は次の信号が停止または警戒、「減速」は次の信号機が警戒または注意といったように段階を踏んでおり、それぞれ減速から警戒に向かって制限速度が遅くなっていきます。
なお「進行」では、その路線で規定されている最高速度で走ることができます。その上をゆく「高速進行」は、現在は京成電鉄の成田スカイアクセス線内でのみ使われている信号で、これが示されている時は在来線の最高速度である130km/hを超えることができ、最高160km/hまでの走行が許可されます。その場合「進行」だと130km/hまでに制限されます。
こうして細かく分けるのは、先行列車にぶつからずに安全運行するために他なりません。現在の多くの鉄道は、信号と信号の間をひと区間と定め、これを「閉塞区間」とし、1つの閉塞につき1列車しか進入できないように信号を示し、追突を防いでいます。「減速」「注意」「警戒」という、速度制限のある信号を青信号と赤信号の間で示すことで、先行列車に近づきすぎないように管理しているのです。
■様々な種類がある鉄道信号
▲西武多摩湖線国分寺駅手前にある2灯式信号機と西武9000系。
青・黄・赤の3色で構成される通常の信号機のほか、鉄道には様々な種類の信号機が存在します。見かける機会が多いのは「中継信号機」や「入換信号機」といった類のものでしょう。中継信号機は見通し不良な箇所に設置され、3つの白色灯の配列でその先の信号機が進行信号なのか、制限信号なのか、停止信号なのかを示します。
また、入換信号機というのはその名の通り、車両基地や駅構内といった本線上ではない箇所での車両入換のためにある信号機です。各地で見られるのが「灯列式」と呼ばれるもので、水平点灯で停止、斜め点灯で進行となります。
さらに信号は地上に設置されるものだけではありません。レールを流れる信号電流から、車内に許容速度の信号を送り列車間隔を制御する「ATC(自動列車制御装置)」というものもあります。これは地上信号の確認が難しい新幹線や地下鉄、過密運行な都市部の通勤路線の一部などに採用されています。
こうした鉄道信号の意味を知ることで、列車の前面展望や運行状況などの理解がより深まることでしょう。
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