text:瀧口宜慎(RMM)
photo:青柳 明(E6系模型情景写真)
情景模型協力:平柳 聡
ブルートレインをはじめとした客車列車の廃止により旅客車を機関車が牽く姿はめっきり見られたくなりました。そんな中、近年機関車牽引の旅客車という点からに注目を集めるのが、車両メーカーから鉄道会社までの間を貨物列車として車両を運ぶ甲種鉄道車両輸送です。
ここでは先頭車の連結器を改造し、2パターンの甲種輸送を再現したいと思います。なお、輸送される電車側の動力は非連結、または台車のギアを抜いて無動力化するものとしています。
↓甲種輸送仕様のNゲージの作り方解説はこちら!↓
■E6系導入時に見られた甲種輸送を再現!
10年前のE6系導入時に見ることができた在来線を使った秋田新幹線E6系の甲種輸送は、その見た目のインパクトもあり当時話題となりました。もちろん模型で再現すれば映えること間違いなしな編成…ということでまずはこちらを再現してみます。カプラーはASSYパーツで入手したC58重連用のものを加工した上で取り付け。車両そのものは思い切って甲種輸送専用仕様としています。非連結側となるE621の先端ノーズ部分も外し、プラ材と銀河モデルの反射式標識板で作った後部標識パーツを加工して差し込み、より実際の甲種輸送時の雰囲気に近づけました。
■国鉄型機関車と私鉄通勤型の組み合わせを再現したい!
こうしたJR所属の電気機関車と私鉄車両の組み合わせは、新製時など、JR線を経由して車両を搬入する際見られるものです。特に古参の国鉄型電気機関車と最新鋭私鉄車両との組み合わせというのは、こういった時くらいしか見られないもので注目度も高い列車の一つ。そんなレイアウトでも目立つこと間違いなしな編成をNゲージでお手軽に作ってみました。
ちなみに、今回再現したJR貨物のEF65と小田急4000形の組み合わせは新製時の甲種輸送で見ることができた組み合わせですが、その後も大宮大宮総合車両センターに入場する際はJR東日本所属のEF81やEF64の組み合わせも見ることができました。模型の方はTNカプラーの密自連に交換しましたが、ここにTOMIXから分売されている品番JC19 カプラーアダプター・アーノルトを用意し、これをTNカプラーに取り付けることで、他社アーノルトカプラー車にも連結可能となります。組み合わせる機関車を変えて、シーンを変えるのもまた楽しいでしょう。
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◆新刊情報 今回のレイル・マガジンは「貨物列車2023」
毎年5月発売で好評をいただいておりましたレイル・マガジンの「貨物特集」。2023年版も、2022年版に引き続き「丸ごと一冊貨物特集!」のムックとして登場です!
特別付録も、毎年恒例の「JR貨物機関車運用表・機関車運用番号入り 主要路線貨物時刻表」を最新版にアップデートの上で制作。機関車運用をしっかり研究して、撮影に役立てていただければと思います。また時刻表の部分は編集部独自のポリシーによるソートを行ったもので、最も撮影者が多い区間で時刻順に並べ直しており、沿線で列車を待つ時に便利さを実感いただけることでしょう。