185系

特集・コラム

この夏復活!東海道本線を駆け抜けた185系の列車たちを振り返る

2023.06.19

text:RM
再構成:鉄道ホビダス編集部

’19.1.24 東海道本線 早川~根府川 P:山越恵太
(今日の一枚より)

 185系は1981年のデビュー以来、首都圏を中心に特急などの優等列車のほか、「ライナー」や普通列車といった運用にも充当された。また、臨時快速などの波動運用にも用いられ、まさに汎用特急車両と呼ぶにふさわしいものであった。2023年夏に臨時特急「185(いっぱーご)」として復活予定だが、ここでは、そんな185系の東海道本線での活躍について振り返っていこう。

↓185系が充当された列車たちの写真を見る!↓

■急行「伊豆」

運転区間:東京~伊豆急下田(伊豆急行)・修善寺(伊豆箱根鉄道)
185系での運転時期:1981年

 急行「伊豆」は特急「踊り子」の前身となる列車の一つ。豊富な温泉と美しい景観で人気の伊豆半島へは、観光アクセスの優等列車が戦前から運転されており、急行「伊豆」もその流れを汲んだ列車である。185系登場以前は長年153系で運転されており、185系への置き換えの過渡期には、暫定的に両形式が混在して運転された。

■特急「踊り子」

’99.5.3 東海道本線 早川~根府川 P:丹波篠山
(185系思い出ギャラリー)

運転区間:池袋・新宿・東京~伊東・伊豆急下田(伊豆急行)・修善寺(伊豆箱根鉄道)
185系での運転時期:1981年~2021年

 前述の急行「伊豆」や特急「あまぎ」といった伊豆方面の優等列車の名称を統一した列車で、1981年にデビュー。以後185系は、約40年間に渡り「踊り子」として運転され続けてきた。しかし、2020年からE257系が導入され、2021年3月13日のダイヤ改正をもって定期列車はすべてE257系に統一された。
 また、多くの臨時増発も実施されており、1987年から運転された上越線の前橋まで直通する「モントレー踊り子」や、上野東京ライン開通後に設定された常磐線我孫子発の「踊り子」、中央本線八王子発の「はちおうじ踊り子」など、関東圏の各地と伊豆を結んだ。なお、「モントレー踊り子」のヘッドマークは本来「L特急」のシンボルマークがある左下部分に「M」の文字が入ったものが使用された。

■普通列車

運転区間:東京~伊東など
185系での運転期間:1981年~2013年

 185系の東海道本線東京口の普通列車運用は1981年の185系登場時から、153系時代のローカル運用を一部引き継ぐ形で運転されていた。しかし、ラッシュ時の運用については、デッキ付き2ドアという構造上、遅延の原因となったため後述の「湘南ライナー」などに整理されていく。
 なお、当時113系を中心に運転されていた東海道本線普通列車の中で、185系は普通車であっても転換クロスシートを備え、グリーン車に至っては全車フルリクライニングシートを備えていたため、当時の沿線利用者や、レイル・ファンの間では話題になっていた。
 また、2013年までは、下り普通列車521Mが特急「踊り子」の送り込み回送を兼ねて、東京~伊東間で運転されていた。時刻は東京7:24発→伊東9:49着となっており、レイル・ファンの間では特急料金なしで特急型車両に乗ることが出来る「乗り得列車」として知られていたほか、「青春18きっぷ」シーズンには西への旅立ちの列車としても利用された。

■「湘南ライナー」

’16.11.1 東海道本線 藤沢~大船 P:金麦
(185系思い出ギャラリーより)

運転区間:東京・品川~小田原
185系での運転時期:1986年~2021年

 「湘南ライナー」は朝夕のラッシュ時間帯を中心に運転される座席定員制列車。乗車の際には、普通車は一部区間を除いて事前に「湘南ライナー券」を、グリーン車は着席保証はないが「普通車グリーン券」を購入することで乗車することが出来る。
 誕生の経緯としては、前述の通り、ラッシュ時に普通列車として運行していた185系を有効活用するための取り組みであり、以来E351系や251系などの他形式と共に運転されてきた。なお、2021年3月のダイヤ改正で特急「湘南」の運行開始に伴い、東海道本線の「ライナー」は全て運行終了となった。

■「湘南新宿ライナー」「ホームライナー小田原」「おはようライナー新宿」

運転区間:新宿~小田原
185系での運転時期:1988年~2021年(2002年からは「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」に名称変更)

 「湘南新宿ライナー」は、1988年より、新宿への直通列車として品鶴線・山手貨物線経由で運行開始した列車。乗車ルールなどは「湘南ライナー」と共通。2002年12月からは前年より運行開始した「湘南新宿ライン」との紛らわしさを解消するため、朝の上り列車は「おはようライナー新宿」に、夕方の下り列車は「ホームライナー小田原」に名称変更された。「湘南ライナー」同様、215系と共に運行されている。なお、こちらも「湘南ライナー」同様2021年3月のダイヤ改正で特急「湘南」運行開始に伴い運行終了となった。

■臨時快速「ムーンライトながら」

’19.12.29 東海道本線 横浜 P:くろてつ
(185系思い出ギャラリーより)

運転区間:東京~大垣
185系での運転時期:2013年~2020年

 1996年3月改正からJR東海373系を用いて東京~大垣間で運転を開始した夜行快速列車。当初は定期列車として運行されていたが2009年3月改正で臨時化された。この時に車種がJR東日本の189系・183系などに変更されたが、2013年からは185系で運転されるようになった。なお、本列車に充当された185系はグリーン車を連結しない全車普通車の6+4両の10両編成で運転されていたことが特筆される。
 2021年2月に列車の廃止が発表されたが、新型コロナウイルスの影響で2020年度は運休していたため、2020年3月の運行が実質的なラストランとなった。

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