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朝ラッシュしか働きません!平日にしか姿を見せない「阪急8200系」の秘密

2023.06.14

text & photo(特記以外):上石知足(鉄道ホビダス編集部)

 平日朝、通勤・通学ラッシュ時間帯の混雑というのは、どの鉄道会社も長年あの手この手で緩和に努めてきました。両数を増やしてみたり、車体幅やドア幅を広げたり、はたまたドア数を増やしたり、いろいろな例がありますが、今回は「ラッシュ時の増結」だけで運用されている阪急8200系を見ていきます。

■2両編成2本のみが製造された8200系

▲営業運転では神戸線のみを走行する8200系だが、乗務員訓練の際には伊丹線などにも入線することがある。

‘13.11.3 阪急電鉄伊丹線 塚口―稲野 P:渡邊一弘
(鉄道投稿情報局より)

 8200系は1995年に落成した車両で、系式が表すように8000系をベースとした車両です。増結に使われる2両編成が2本のみ製造され、登場時から主に神戸線でのラッシュ時増結編成として使われています。
 2両編成の増結用という運用が限られる車両なため、基本的にラッシュ時以外は運用されることはなく、朝ラッシュのない土休日に至っては運用に入ることすらありません。また、ラッシュ時も運用は限定されており、かつては夕ラッシュ運用もありましたが、現在では朝ラッシュのみにしか運用されません。そのため平日朝のわずかな時間のみしか見ることができず、沿線住民でもなかなか出会うことができない電車であるとも言えます。

■阪急電車の百の位「2」が表すものとは?

 そもそも車両系式が表す8200の百の位が「2」というのにはどういう意味が込められているのでしょうか。阪急電鉄の車両系式で、百の位が「2」というのは代々試作的な意味合いが強い車両が多いです。過去に存在した系式だと、阪急初の新製冷房車としてデビューした5200系や、電機子チョッパ制御やVVVFインバーター制御の試作車として登場した2200系などが挙げられます。いずれも新機軸を採用した試作的要素の強い車両ですが、8200系も例外ではありません。

 8200系は関西私鉄では初となる格納式座席を採用したほか、車内にはLED表示器のほか液晶ディスプレイも装備。ドアも従来の1.3mから1.5mへ拡張され、それに伴い側面窓は3枚から2枚へと減少し独特のスタイルに。側面表示器にもLEDが採用されるなど、数多くの新機軸が採用されました。

■神戸線の増解結運用消滅…長期運用離脱からの復帰

▲2023年2月に運用復帰した8200系。現在では平日朝の通勤特急に使われる。

 8200系は後年、格納式座席の固定化や、車内液晶ディスプレイの撤去などの改造が施されましたが、依然として平日朝ラッシュのみの運用に徹していました。そんな中、2022年12月のダイヤ改正により、朝ラッシュ時の増解結作業が神戸線から消滅し、8200系は一時運用から外れました。
 2両編成2本という在籍数から、ローカル路線への転用なども噂されましたが、2023年2月頃に平日朝の通勤特急として運用復帰。この際、分割運用はすでに消滅していることから、連結面となる8250形には転落防止幌が新設されました。

 近年、10両編成自体の運用も減少傾向にある中、少数派の8200系は今も限られた運用ながら活躍を続けています。

2023年6月15日 加筆修正

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