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特集・コラム

えっ?なにこのデザイン!?貨物列車に紛れる「激レアコンテナ」を探せ!

2023.05.09

text:鉄道ホビダス編集部

▲動物の檻のようにも見えるが、こちらは事業用のZX19A形コンテナ。フォークリフトの作業訓練用に通常のコンテナから改造された形式で、荷崩れが外からもわかるよう格子状で中身が見えるようになっている。

‘13.5.6 東京貨物ターミナル駅 P:芦原やちよ

 路線によっては出会うことも多いであろう貨物列車。現代において、その多くはコンテナ輸送になっていますが、そのコンテナたちをまじまじと見つめたことはありますでしょうか?実はその中には全国で数個しかない超レアなコンテナが紛れているかもしれません。ここでは数あるコンテナの中から様々な「レアもの」についてみていこうと思います。

↓様々な「レアコンテナ」たちを写真で見る↓

■50個限定!緑の19D

‘13.5.6 東京貨物ターミナル駅 P:芦原やちよ

 「レアコンテナ」としては有名なこの緑色の19D。今でも貨物列車を眺めているとたまに目撃するこのコンテナですが、その正体は2009年に「鉄道コンテナ輸送50年記念」で50個限定で製造されたもの。かつて、同様の緑色に塗られていた国鉄コンテナを彷彿とさせるカラーリングということで当時話題となりました。
 全国何万と存在する鉄道コンテナの内50個限定、と言われるとなかなかにレアな気がしますが、実はこれをも凌ぐ少数なコンテナは他にもいろいろあります。

■赤パロマと白パロマ

‘18.5.20 函館本線 札幌貨物ターミナル P:石原幸司
(今日の一枚より)

 JR貨物以外が所有しているコンテナのことを「私有コンテナ」と言い、形式もJR貨物所有のものとは分けられます。そんな私有コンテナの中で「UR19A」という形式が存在しますが、その中でも一際異彩を放つのがこの「赤パロマ」と「白パロマ」でしょう。なんと赤と白それぞれ世界で1つだけの存在で、レア度も段違い。「UR19A-1500」が白色、「UR19A-1501」が赤色となっています。私有コンテナにはこうした企業が所有、または借受したコンテナがいくつか存在しており、その中にはこうした数個単位のレアなものも存在します。

■1個だけ…可愛い犬が描かれた謎のピンクコンテナ

‘13.5.6 東京貨物ターミナル駅 P:芦原やちよ

 この見慣れぬ可愛らしいピンク色のコンテナ、こちらはJR貨物の形式「20A形」なのですが、実は1個しか製造されなかったコンテナです。船舶での輸送も考慮した試作コンテナの一つで、側面のほか天井も開く構造が特徴です。近年では目撃例がなく、廃止となり形式消滅したという情報もあります。写真は2013年の東京貨物ターミナル駅40周年記念イベントでのものですが、今も現存しているのかどうかが気になるところです。

■不思議な形をした事業用コンテナ

‘21.7.25 東海道本線 稲沢 P:東野 誠
(鉄道投稿情報局より)

 コンテナといえど、荷物を輸送するだけがコンテナの役割ではありません。最後にご紹介するのは、事業用コンテナといわれる部類のものです。事業用と一括りにされますが、その用途はは試験・測定用や電源用、さらには訓練用や死重用など様々です。上写真の「ZX45A形」は機関車や貨車の測定用としての役割があり、それらの機器をコンテナ内に収めた結果、特異な形状をしているのが興味深いです。ボディには扉や窓といったものが付いており、コンテナというよりは、ちょっとしたプレハブ小屋のような印象を受けます。

 貨物列車は、機関車や貨車にも種類が様々あって楽しいですが、コンテナにもそれぞれ個性があるのがわかったかと思います。ぜひ車両だけでなく、その積荷であるコンテナたちにも注目すると、もっと貨物列車を楽しむことができるでしょう。

↓様々な「レアコンテナ」たちを写真で見る↓

◆新刊情報 今回のレイル・マガジンは「貨物列車2023」

毎年5月発売で好評をいただいておりましたレイル・マガジンの「貨物特集」。2023年版も、2022年版に引き続き「丸ごと一冊貨物特集!」のムックとして登場です!

特別付録も、毎年恒例の「JR貨物機関車運用表・機関車運用番号入り 主要路線貨物時刻表」を最新版にアップデートの上で制作。機関車運用をしっかり研究して、撮影に役立てていただければと思います。また時刻表の部分は編集部独自のポリシーによるソートを行ったもので、最も撮影者が多い区間で時刻順に並べ直しており、沿線で列車を待つ時に便利さを実感いただけることでしょう。

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